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資産形成において短期売買は必要なのか

資産形成において短期売買は必要なのか

投資における短期売買とは

今回も、人生100年時代の資産形成における「お金のマインド・シフト」を学んでいきましょう。今回は、「投資における短期売買について」考えていきたいと思います。

今までのマインド:短期売買の技術を身につけることも大切だ
新しいマインド:短期売買のアドバイスに耳を傾けないことが大切だ

皆さんが投資を行う時は、その極意に関して知りたい、有益なアドバイスを受けたいと思われると思います。インターネットを検索すれば様々な情報に触れることができる一方、どのようなアドバイスに耳を傾ければ良いのか迷われることも多いのではないでしょうか?そのような中で、今回、お伝えしたいのは「短期売買のアドバイスに耳を傾けないことの大切さ」です。

金融商品の短期売買とは、金融市場の中で行う投機、すなわちギャンブルのようなものです。例えば、チャートといわれる過去の短期的な値動きを見て、短期間で売り買いを繰り返す行動です。FX取引(為替取引)や仮想通貨で一攫千金を狙うとか、株の短期トレードの必勝法で何億円儲かったという類の話です。しかしながら、儲け話の裏では多くの人が損をしています。ごくごく一部の人の儲け話を聞いて、それを羨ましいと思ったり、耳を傾けないようにすることが大切なのです。

資産運用のプロの仕事のイメージをお聞きすると、沢山のモニターの前に張り付いて、多くの情報を見ながら短期売買をしていると思われている方がたくさんいらっしゃいますが、多くの資産運用のプロこそ、短期売買を避け、投資先企業の長期の実体に注目しています。ESG投資の時代が本格的に訪れており、その動きは加速していくでしょう。

投資における短期売買とは

投資を車の運転に例えて考えてみる

皆さんが、短期売買の手法に興味を寄せるのは、無理のない話なのかもしれません。つい最近までは、日本の書店の投資関連のコーナーでは、短期売買のノウハウ本が、本棚の半分ぐらいを占めていました。コロナ禍が過ぎ去り、皆さんが次に海外旅行に行かれる機会があれば、是非海外の書店を覗いてみてください。欧米の書店には、そのような本が殆ど置かれておらず、日本の環境が特殊であることに気付かれると思います。

投資を、車の運転に例えて考えてみましょう。短期売買で注目されるチャートとよばれる過去の値動きグラフは、いわば「バックミラー」のようなもので、映っている景色は、直前の過去です。車の運転において、直前の過去を見続けながら運転することは、まず無いのではないかと思います。運転においてより重要なのは、広く前方を見る事です。金融市場では、短期的には短期売買に参加している人々の楽観や悲観で動きますが、長期的には実体経済や企業の本来の価値(利益が伸びているかなど)を反映します。つまり、運転においても、投資においても、バックミラーばかりを見ての行動は控えるべきでしょう。

長期投資で重要なことを長距離運転に例えて3点にまとめてみます。

①バランスの取れた車に乗ること
まず、一番大切なのはバランスの取れた車に乗ることです。投資においては、グローバル経済の中で購買力を維持できるポートフォリオ(資産の組み合わせ)を指します。ここで、金融口座に表示されている金融資産のみが、自分の資産だと考えてしまうことは間違いです。将来受け取ることが見込める給料や年金を加味した「人的資産」全体をとらえ、その中でのバランスを考えること、特に海外資産を組入れることが重要です。日本に一生暮らす方であっても、私たちの日常は海外からの製品とサービスに囲まれていることを忘れてはなりません。

②前をしっかり見ること
日本と世界の相対的な関係は、昭和から平成で大きく変わっており、私たちにとって大切なのはこれからの現実をしっかり受け止めて、正しい行動を考えることです。日本は、生活インフラが整っており、治安が良く、暮らしやすい国だと思います。一方で、主要国の中で、最も低い成長が予想されている国でもあります。今後、世界経済の中での相対的な地位が低下していくことは、個人の力では止めようがありません。その中で、将来の日本と個人の豊さを高めていきたいのであれば、金融資産において、海外の成長資産をしっかり持つことが重要です。海外資産の保有を当たり前の状態にしておくことが、極めて大切になると考えます。

 

長期の成長に着目し、着実に投資を続けることが重要

③法定速度で運転する
投資によって得られる収益とは、じっくりと腰を落ち着けて投資を続けることで、世界の経済や企業の長期の成長の恩恵を得るものです。前述の通り、金融市場における価格は、長期では実体経済や企業の実力を反映します。短期売買のように、バックミラーに映る景色に左右され自らで急発進と急ブレーキを繰り返すのではなく、あくまで社会や企業の長期の成長とともに、自分の金融資産を増やしていくという姿勢が大切です。

これまで述べてきた通り、私たちは短期売買をお勧めしません。どうしても興味があるのであれば、競馬やカジノのように一時的な楽しみとして割り切って、ご自分の資産のごく一部で行う事にとどめるべきでしょう。

短期で高い収益を上げた話を聞くと、ついつい自分も儲けることができるのでは、と思ってしまうかもしれませんが、そのような話には耳を傾けないことです。上記でお話した長距離運転のように、真にバランスの取れた車に乗り込み、広い視野で前を見ながら、着実な資産運用を続けていくことが皆さんの将来の豊かさへの近道です。人生100年時代、これからも人生と社会を豊かにするための、新しいお金との付き合い方を学んでいきましょう。

長期の成長に着目し、着実に投資を続けることが重要

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