Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2024

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2024

はじめに

第12回目となるインベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディによると、地政学的緊張がインフレを上回るソブリン投資家の主な懸念事項となり、新興国市場に関する投資への関心が高まっていることが分かりました。

インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ

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(英語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2024

(日本語版)Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2024



今回の調査では回答者の83%が、地政学的緊張を今後1年間の世界経済成長に対する大きなリスクとして挙げており、2023年の72%から増加しています。これは、大国間における競争と貿易にもたらされる混乱の可能性に対する懸念を反映しています。ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)は、新興国市場を地政学的緊張の高まりの潜在的な受益者とみなしており、ニアショアリングなどのトレンドによってもたらされる機会を指摘しています。その結果、SWFの67%は、今後3年間で新興国市場が先進国市場と同等かそれを上回るパフォーマンスを発揮すると予想しています。

2013年に調査が始まって以来、SWFがマイナスのリターンを経験した昨年の-3.5%から大幅に改善し、SWFの平均リターンは7.2%となりました。

インベスコが毎年実施してきている本調査は、ソブリン投資家の動向を探る主要な指標となっており、合計22兆米ドルの資産を運用する83のソブリン投資家と57の中央銀行の投資責任者、資産クラスの責任者、シニア・ポートフォリオ・ストラテジストなど、140人の見解に基づいています。

これまでと同様、今年の調査の主要テーマが皆さまのお役に立てれば幸いです。

 

主な指標
投資期間

2024年、ソブリン・ウェルス・ファンドが報告した平均投資期間は10.8年となり、2023年に報告された11.3年からやや低下しました。最も投資期間が長かったのは引き続き投資ソブリンの12.9年で、それに債務ソブリンの12.1年が続きます。流動性ソブリンの投資期間は4.8年に、開発ソブリンは10.2年に上昇しました。

投資期間の推移(年)
パフォーマンス

ソブリン・ウェルス・ファンドが報告した2023年の平均年間実績リターンは7.2%となり、前年のマイナス3.5%から大きく上昇しました。投資ソブリンは9.8%、開発ソブリンは10.0%のリターンを報告しています。債務ソブリンは6.2%、流動性ソブリンは2.0%となりました。

投資家セグメント別の年間実績リターン(%)

全体=ソブリン投資家全体(除く中央銀行)
投資=投資ソブリン
債務=債務ソブリン
流動性=流動性ソブリン
開発=開発ソブリン           を意味します

資産配分

2024年、ソブリン・ウェルス・ファンドの債券への配分は28%と横ばいでしたが、株式への配分は前年の30%から32%に上昇しました。流動性の低いオルタナティブ資産は全体の22%を占めましたが、流動性の高いオルタナティブ資産と直接戦略投資(DSI)の割合はそれぞれ4%、10%でした。

資産配分動向(% AUM)


オルタナティブ投資では、プライベート・エクイティへの配分は前年の7.4%から7.0%に、不動産への配分は同じく8.0%から7.6%に低下しました。一方、インフラストラクチャーへの配分は2023年の7.1%から7.7%に、ヘッジファンド/絶対リターンファンドへの配分は同じく2.5%から2.9%に上昇しました。コモディティへの配分は0.8%と、比較的安定して推移しています。

オルタナティブ投資への資産配分の動向(% AUM)

当資料は、一般もしくは個人投資家向けに作成されたものではなく、機関投資家向けのものとなります。情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)が、英文でリリースされた”Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2023”を解説するために作成された英語コンテンツの一部を翻訳して作成したものであり、法令に基づく開示書類でも投資勧誘を目的としたものでもありません。翻訳(または抄訳)には正確を期していますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、抄訳の場合には、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。また、公表されたデータ等に基づいて作成されたものですが、過去から将来にわたって、その正確性、完全性を保証するものではありません。
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