
お客様本位の業務運営に関する方針への取り組みについて
2025年6月23日
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
インベスコ・アセット・マネジメント(以下「当社」)では、「お客さま本位の業務運営に関する方針」(以下「本方針」)に基づき、継続的にお客さま本位の業務運営に向けた様々な取組みを推進しております。
本書では、主な取組みをご報告させていただきます。
※取り組み内容およびKPIの実績は2024年6月から、2025年5月末までを対象
方針1:
当該方針に基づく取組状況を定期的に公表するとともに、この方針自体の見直しも行ってまいります。
<取り組み>
金融庁が2017年3月30日に公表、2021年1月15日に改訂した「顧客本位の業務運営に関する原則」は、真にお客さまのためにより良い金融商品・サービスを提供するとの当社の姿勢をより一層強化するものと認識しています。当社では、かかる観点から、金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」および各原則の注記を十分踏まえながら、「顧客本位の業務運営に関する方針」を公表しており、以下に当方針に関連する取組みの状況を記載致します。
方針2:
資産運用のプロフェッショナルとして、Code of Conduct*に準拠し、グローバル・レベルの高い職業倫理の醸成に努めるとともに、お客さまの最善の利益を追求するよう努めてまいります。
また、顧客との取引に際し、顧客本位の良質なサービスを提供し、顧客の最善の利益を図ることにより、自らの安定した顧客基盤と収益の確保につなげていくことを目指してまいります。
*インベスコ・グループが策定する行動規範です。
<取り組み>
1. 当社では、役職員が主体的に、資産運用業者としての社会的責任とその役割の重要性を認識し、積極的に倫理観を向上させることを奨励しております。そのため、マネジメントから職員に対して常に法令遵守、お客さま本位の業務運営の重要性を周知するとともに、全役職員に対して定期的なコンプライアンス研修を実施するなど、日頃から役職員の職業倫理の向上に努めております。
また、社内に相互牽制機能が働く組織体制を構築し、資産運用業者として疑義が生じる行為等について適切な判断ができるようにしております。昨年は、若手職員や当社に入社して間もない社員とコンプライアンスや職業的倫理について話し合うセッションを開催し法令順守意識を高めることに努めました。
2. ファンド設定時においては、顧客の利益及びビジネス上の観点から適切な商品設計となっているかを確認しております。
<KPI>
コンプライアンス・マインドを醸成し、各種制度を周知するために定期的に全社員宛にemailでコンプライアンスに関する事項を期間中に11回配布しました。
方針3:
利益相反管理に関する規程の下、業務の遂行において、お客さまとの利益相反の可能性について把握につとめ、適切な対応を行います。
<取り組み>
1. 当社では、利益相反のおそれのある行為、取引を適切に管理し、お客さま及び当社が運用する運用資産を守るため、様々なモニタリング活動(ファンド間の取引、役職員の有価証券取引等)を行い、その結果を利益相反管理委員会、リスク管理委員会に報告しております。利益相反のおそれのある状況を特定した場合、利益相反のおそれのある取引についてお客さまへの開示を行うとともに、取引自体を中止する等の適切な判断ができる管理体制を敷いております。
2. 利益相反管理委員会において、販売会社に対して不適切な利益の提供及び不適切な議決権行使がないかを確認しております。
<KPI>
対象期間中利益相反管理委員会を4回開催し、利益相反取引が無いことを確認しました。
方針4:
私たちが提供する金融商品・サービスについて、お客さまにご負担いただく手数料や費用がどのようなサービスの対価であるかを、関連するその他の重要事項とともに分かりやすく提供いたします。
<取り組み>
1. 当社では、手数料や費用はもとより、お客さまにお届けするその他の重要事項を分かりやすく伝えることは、当社の商品をご理解いただく上で大切なことであると考えております。交付運用報告書、交付目論見書、月報及び販売用資料等の資料では、より視覚的な「分かりやすさ」の向上を図るとともに、お客さまにご負担いただく手数料や費用、投資リスクなどの記載内容においても、平易で明確な表現を用いることで、「分かりやすさ」の向上を目指しております。
2. 一般投資家向けの資料に関しては、費用の表記を青文字で記していたものを赤文字にし、より目に留まりやすいよう統一した変更を行いました。
方針5:
お客さまのニーズに合う多様な商品を開発するとともに、お客さまにご満足いただけるよう、それぞれの商品の情報提供を、投資家の皆様の取引経験や金融知識を考慮の上、明確、平易であって、誤解を招くことのない誠実な内容で行います。
*当社は投資運用業を行っていることから、金融庁原則5の注のうち、注2については該当ありません。
<取り組み>
1. 当社の商品開発の過程におきましては、日本法人での厳格な承認プロセスに加え、アジア太平洋地域ならびにグローバルでの厳格な承認プロセスが存在します。それぞれのプロセスは委員会形式を採用しており、様々な部門の代表から構成されております。各委員会においては、運用戦略やストラクチャーの妥当性に加え、リスク管理手法、顧客ニーズおよび顧客適合性、ならびに費用水準の妥当性などを総合的に検討、議論した上で、商品を世に送り出すか否かの決定が行われます。当社においては、常に顧客本位の商品が提供されるような仕組みを整えて、商品の開発を行っております。
2. 公募投資信託については重要情報シートの整備を行い、金融商品の組成者である当社が販売対象として想定する顧客属性を示すことで、販売会社が当該ファンドを投資家の皆様に販売・推奨する際の参考にしていただけるものと考えております。私募投資信託につきましても、下記で記載している通り、適切な情報提供に努めております。
【公募投資信託】
商品の重要な情報に関しましては、ファンドの実績リターン、投資リスクならびに手続・手数料等を、目論見書等を通じて提供しております。資料作成の際には、明確かつ平易であり、誤解を招くことのない誠実な内容の情報提供を心掛けております。また交付目論見書の作成においては、手数料に関する情報を赤字にするなど、より重要な情報について強調し、投資家の皆様に注意を喚起するような配慮をしております。
また、金融商品の組成に携わる金融事業者として重要情報シートを販売会社に提供することによって想定顧客像を示しており、これによって販売会社が販売・推奨等を行う金融商品・サービスの選定の参考にしていただけるものと考えております。重要情報シートについては、随時内容の見直しを行い、アップデートを実施することで、より有益な情報提供に資するように努めております。
【販売会社を通じて勧誘を行う私募投資信託】
商品の重要な情報に関しましては、販売会社に対して、ファンドの実績リターン、投資リスクならびに手続・手数料等の情報を提供しております。また、勧誘に関しては、顧客ニーズを踏まえた商品の提案を行っていただけるよう販売会社に依頼を行っております。
【弊社が直接勧誘を行う私募投資信託】
商品の重要な情報に関しましては、勧誘に際して商品説明を行う際に、直接投資家に対してファンドの実績リターン、投資リスクならびに手続・手数料等の情報を提供しております。また、勧誘に際しては、顧客ニーズを踏まえた商品の提案を行っております。
3. 商品の情報提供については、月報や運用報告書などの定期的な資料に加え、商品の特徴をわかりやすく説明するための販売用資料や、市場の大幅変動時の臨時レポートを作成するなど、細やかな対応を行っております。
4. 資料作成においては、投資経験が少ない投資家であってもご理解いただけるような表現で販売用資料等を作成するよう努めること、ファンドの特徴を説明するうえで一般的に認知度が高くない専門用語を表記せざるを得ない場合は注記や注釈によりその専門用語を解説すること、重要な事項は太字の使用や文字色の変更などにより注意喚起を行うことなどを心掛けております。
5. 投資家の皆様が資産運用に関して、より深く理解していただけるよう、当社の商品やサービスに加えて、資産運用に関する広範な情報提供を行っております。当社の個人投資家向けホームページにおいて、お客さまからの問い合わせの多いファンドに関する特設ページを拡充し、情報提供体制を強化しました。また、オウンドメディアを通じた投資啓蒙コンテンツの提供や、各種公式ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)アカウントを活用した情報発信を継続しました。
<KPI>
マーケットや投資信託に関する特別レポートの掲載本数:20本
動画コンテンツ:15本(ファンド関連)
方針6:
お客さまの素晴らしい投資体験を実現するため、私たちは各種メディア、セミナー、ウェブサイト及びSNS等を通じて資産運用に係る啓蒙活動を行うとともに、資産運用の一助となるべく、世界の市場動向・経済見通し・金融政策等の積極的な情報提供に努めてまいります。
*当社は投資運用業を行っていることから、金融庁原則6の注のうち、注3及び注5のみ該当し、注1、注2、注4、注6及び注7については該当ありません。
<取り組み>
当社では、お客さまにより深度のある投資関連情報をご提供し、またお客さまごとの運用ソリューションをご提供できるよう、より革新的なサービス提供体制の構築を進めております。個人投資家に対しましては、2022年3月に実施した自社ホームページのリニューアルによるオンラインを通じた情報提供体制の強化をベースに、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やオウンドメディアを活用しての投資関連情報や金融取引に関する基本的な知識の提供を継続しています。さらに、機関投資家、年金基金、金融機関のお客さまに対しましては、専用のホームページを開設し、当社グループのもつ運用力やソリューション力、あるいはESGに関するより深い情報を発信しております。また、個人投資家のお客さまに投資信託を販売する金融機関の販売員の方向けに、2023年8月末に、「インベスコ倶楽部」という会員制の情報提供サイトを立ち上げ、最新のマーケット情報を解説するコンテンツやファンドの理解がより促進されるコンテンツ、あるいはお客さまとのコミュニケーションに役立つコンテンツなどをご提供し、販売員の方々が個人の投資家をよりサポートしやすい環境づくりにも尽力しています。
<KPI>
ファンドに紐づかないマーケットレポート数 102本
動画コンテンツ:38本(マーケット環境)
SNS を通じた情報提供:673回(Twitter, Facebook, LINE)
オウンドメディアを通じた情報提供:178回
金融機関の販売員向け会員サイトを通じた情報提供:236回
方針7:
研修などを通じて、役職員への当該方針の周知徹底を図ってまいります。
<取り組み>
1.顧客本位に重きを置いているグローバルのパーパス(インベスコの存在意義)【We exist to help people get more out of life by delivering a superior investment experience.(インベスコは、素晴らしい投資体験を通じて人々の人生をより豊かなものにしていきます)】や、コンピテンシー(行動基準)を役職員へ周知することで、顧客本位の業務運営への意識の向上に注力しております。パーパスやコンピテンシーについては、入社時、あるいは研修を通じて周知していく予定です。
2.当社では、お客さま本位の業務運営の各方針を所轄する部門の代表を中心としたワーキンググループが定期的に集まり、「顧客本位の業務運営に関する原則」に沿った対応方針や具体的な対応策について協議を行い、その進捗状況の確認を経営委員会に報告しております。また、部長以上の役職員が出席する定期ミーティングを通じ、全役職員へ当該方針および取組み内容の周知を行っております。
<KPI>
計5回開催されたコンプライアンス研修で全社員に周知しました。
方針8:
金融商品やサービスの提供を通じて、お客さまに付加価値をもたらすと同時に自身の経営を持続可能なものとするために、金融商品の組成に携わる金融事業者の経営者として十分な資質を有する者のリーダーシップの下、お客さまにより良い金融商品を提供するための理念を明らかにし、その理念に沿ったガバナンスの構築と実践を行います。
<取り組み>
当社は、経営者のリーダーシップの下、お客さま本位の業務運営を実現するための明確な理念を掲げています。当社は、金融商品の提供において、お客さまの最善の利益を追求し、透明性と信頼性を重視した運営を行います。
具体的には、以下の方針を実践しています:
1. お客さまの最善の利益の追求: 高度な専門性と職業倫理を保持し、お客さまに対して誠実かつ公正に業務を行います。
2. 透明性の確保: 金融商品のリスクやコストに関する情報を分かりやすく提供し、お客さまが十分に理解した上で選択できるよう努めます。
3. 持続可能な成長の実現: 長期的な視点でお客さまの資産形成を支援し、持続可能な成長を目指します。
この理念のもと、経営陣は定期的に方針の見直しを行い、お客さまのニーズに応じた最適な金融商品を提供するための体制を整備しています。
<KPI>
企業理念研修受講社員割合:100%
方針9:
お客さまにより良い金融商品を提供するための理念を踏まえ、金融商品のライフサイクル全体のプロダクトガバナンスについて実効性を確保するための体制を整備します。その上で、金融商品の組成・提供・ 管理の各プロセスにおける品質管理を適切に行うとともに、これらの実効性を確保するための体制を整えます。
<取り組み>
当社は、プロダクトガバナンスの実効性を確保するための体制を整備します。異なる部門がリーダーシップを持つ複数の会議体や委員会を通じて、金融商品の組成・提供・管理のライフサイクル全体にわたりモニタリング・討議・対応策の意思決定を行います。多岐にわたる社内の関連部門からの情報を集約し、管理部門が議長を務める委員会を含む社内会議体を連携させることで、「不芳ファンド」の発見と改善に取り組み、プロダクトライフサイクル全体のガバナンスに実効性を持つ体制を構築します。この体制全体は適宜見直されます。
<KPI>
関連ワーキンググループ開催件数:11回
定例・臨時を含めて商品開発管理委員会開催件数: 42回
定例・臨時を含めて運用リスク管理委員会開催件数: 12回
定例・臨時を含めてリスク管理委員会開催件数: 9回
定例・臨時を含めて経営委員会開催件数: 9回
方針10:
お客さまの真のニーズを想定した上で、組成する金融商品がそのニーズに最も合致するものであるかを勘案し、 商品の持続可能性や金融商品としての合理性等を検証します。また、商品の複雑さやリスク等の金融商品の特性等に応じて、お客さまの最善の利益を実現する観点から、販売対象として適切な想定顧客属性を特定し、金融商品の販売に携わる金融事業者において十分な理解が浸透するよう情報連携を行います。
<取り組み>
当社は、金融商品の組成に際し、中長期的に持続可能性と適切な検証期間の下でのリスク・リターン・コストの合理性を検証するとともに、あらかじめ想定するお客さまの属性と商品特性が合致するかを、代表取締役が参画する商品開発管理委員会において確認します。また、想定する顧客属性については、販売会社へ情報連携を行い、適切なプロダクト提供を推進します。
<KPI>
以下4つのKPIは、期間内に新規設定された投資信託を対象とする
・「商品概要」作成割合:「商品概要」作成 100%
・「商品概要」連携割合:「商品概要」を販売会社に連携 100%
・「重要情報シート」作成割合:期間内に新規設定された公募投信の「重要情報シート」作成 100%
・「想定顧客プレート」の特定割合:期間内に新規設定された該当する公募投信の「想定顧客プレート」の特定 100%
方針11:
金融商品の組成時に想定していた商品性が確保されているかを継続的に検証し、その結果を金融商品の改善や見直しにつなげるとともに、商品組成・提供・管理のプロセスを含めたプロダクトガバナンスの体制全体の見直しにも、必要に応じて活用します。 また、製販全体としてお客さまの最善の利益を実現するため、金融商品の販売に携わる金融事業者との情報連携等により、販売対象として想定する顧客属性と実際に購入した顧客属性が合致しているか等を検証し、必要に応じて運用・商品提供の改善や、その後の金融商品の組成の改善に活かしていきます。
<取り組み>
当社は、金融商品の組成後、その商品性について、当社運用部門および運用外部委託先と連携し、商品の持続可能性、運用体制など運営の安定性、パフォーマンスなどをモニタリングし、社内の関連部門に定期的に共有します。
運用リスク管理委員会で、ファンドのリスク・リターンをモニタリングします。そのモニタリング結果は、リスク管理委員会に報告され、コストを含むその他のファンド情報等と併せ、「不芳ファンド」を選別します。製販情報連携の分析結果および、各部門で管理・モニタリングする情報など、全社的に集約された判断材料をもとに、商品開発管理委員会において信託報酬変更、信託期間延長など商品性、償還などファンドに対する対応を検討・決定します。その影響が重大なものについては、経営委員会に諮り、意思決定を行います。それらの結果は、経営委員会、取締役会に報告します。

図1「プロダクトガバナンス体制」(販売会社および社内の関連委員会・情報連携の流れ)
このようなプロダクトライフサイクル管理のもとで、品質の向上やプロセスの改善に取り組み、必要に応じて販売会社へ情報連携を行います。
<KPI>
レビューしたファンドの延べ数:0件
方針12:
お客さまがより良い金融商品を選択できるよう、お客さまに対し、運用体制やプロダクトガバナンス体制等について分かりやすい情報提供を行います。
<取り組み>
当社は、ファンドの運用体制・プロダクトガバナンス体制についてウェブサイトに開示して、お客さまに対して分かりやすい情報提供に努めております。
<KPI>
ファンド関連動画コンテンツ配信件数︓15本
運用体制関連情報開示ファンド数(運用担当部署と責任者の経験年数など):71本
以上