不動産エクイティ証券/デット証券 マーケット・インディケーター(2022年12月末基準)
要約
- 上場不動産証券は、米国、欧州、アジア太平洋の各地域・セクターにわたり、推定正味価値(NAV)に対して大幅なディスカウント水準で取引を終了しました。
- 上場不動産企業のファンダメンタルズにより引き続き住居や産業施設セクターが選好される一方で、オフィスや小売施設が依然として厳しい状況となっています。
- アジア太平洋および北米市場は、欧州に比べてより安定したファンダメンタルズを示しており、これが2022年のパフォーマンスのばらつきの背景となっています。
- また、不動産デット全般では、平均すると一桁台半ばから後半の利回りをもたらしています。1
1. 出所:コンセンサス・データに基づくインベスコ・リアル・エステートの推測。下記の表のパフォーマンスとは異なります。詳細は図表16をご参照ください。尚、不動産デットのユニバースには、米国REIT優先証券、CMBS、REIT投資適格社債等が含まれます。
平均すると、上場不動産企業の株価は推定正味資産価値(NAV)に対して15%のディスカウントで取引されており、過去平均よりも拡大しています。
ほとんどの上場不動産企業の株価は推定正味資産価値(NAV)に対して大幅なディスカウントで取引されています。
ディスカウント水準は米国、カナダ、英国、大陸欧州、香港で最も顕著となっています。
不動産の投資利回りは、10年国債にプラスの利回りスプレッドを上乗せした水準となっています。
今後12ヶ月の賃料成長率見通しは、市場と物件タイプによって大きなばらつきを示しています。
北米とアジア太平洋市場が欧州に比べてより安定したファンダメンタルズを示しています。
米国REITの配当とファンド・フロム・オペレーション(FFO)の成長は、直近の期間で好調に推移しています。
米国REITの株価は、推定NAVと比較して大幅なディスカウント水準で取引されており、過去の平均値より1標準偏差以上低い水準で取引されています。
ほとんどの米国不動産セクターが推定NAVに対してディスカウント水準で取引されていますが、とりわけ集合住宅、オフィス、ホテルの各セクターでディスカウントが顕著となっています。
米国不動産証券は、利益対比バリュエーションでは一般株式と同水準のPERで取引されています。
マクロ経済の減速と金融引き締めという環境の中で、欧州の収益成長見通しは依然緩やかに推移しています。
欧州不動産証券の株価は、現在、推定NAVに対して大幅なディカウント水準で取引されています。
欧州では、利益対比バリュエーションで不動産証券は一般株式市場を上回る水準で取引されています。
アジア太平洋地域ではCOVID後の貿易回復の恩恵を受け、収益成長率は一桁台半ばを維持しています。
アジア太平洋地域では、株価は推定NAVに対してディスカウント水準で取引されており、長期平均を大きく下回っています。
アジア太平洋地域では、利益対比バリュエーションで不動産証券は一般株式を上回る水準で取引されています。
2022年通年では、米国REIT優先証券のトータル・リターンは、REIT投資適格社債やCMBSをアンダーパフォームしました。
不動産債券全般の利回りは、一般的な債券に比べてより魅力的な水準となっています。
CMBSや米国REIT優先証券を含む不動産デットのスプレッドは依然として総じて縮小しています。
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