インベスコのダイレクト・レンディング戦略は、様々な要因によって魅力的なリスク・リターンプロファイルとなりやすいコア・ミドルマーケットを主なターゲットとしています。コア・ミドルマーケットの区分については、企業価値が1億ドルから7億5000万ドル、EBITDAが1000万ドルから7500万ドル、借入枠が5000万ドルから4億ドルの企業として定義しています。
コア・ミドルマーケットは、対象とする規模、投資戦略、資産に応じて変化する数十のクレジットプラットフォームに細かく細分化されています。これらのプラットフォームは多くの場合ジェネラリストであり、互いに協働し合っているか、もしくはクラブディールで投資をする傾向があります。こういった背景で、より競争が少なく、より協調的な環境が生まれ、それがより「貸し手優位」な価格設定と取引条件につながります。さらにアッパー・ミドルマーケットでは貸し手にとって有意なメンテナンス・コベナンツを取引条件に盛り込むことが減っていますが、コア・ミドルマーケットではこれらのコベナンツが依然として存続しています。このような融資契約により、貸し手は問題が出てきた場合でも、高まったレバレッジの解消を促したり、キャッシュの流出を制限したり、さらに包括的に担保価値を保全したりなど早期に積極的に取り組むことができ、結果として貸し手の利益を保全することができます。インベスコの見方としては、コア・ミドルマーケットの企業との融資契約においてメインテナンス・コベナンツは引き続き維持されると思われ、この傾向は今後も続くと考えています。
対照的に、アッパー・ミドルマーケットは主に大規模な運用残高と投資資金を備えた大規模なプラットフォームの少数のグループで構成されています。この市場は非常に競争の激しい市場です。現在、大規模なプラットフォームは多額のドライパウダーを抱えていることに加え、運用中のポートフォリオでは返済された資金を再投資する必要があり、同時に投資のための追加資金を集め続けています。そのため、貸し手は借り手に単独で色々な資金を提供しようとして競争が激化します。さらに、これらのプラットフォームは従来の資本市場とも競合しています。この市場の発行体の多くは、大規模で流動性のあるシンジケート市場またはパブリック市場を使って低コストでの資金調達するのに十分な企業規模です。この市場セグメントは、多額の資金を投下したいとか、取引価格と取引条件を犠牲にしてでも大型のマンデートを獲得したいと考えているプラットフォームには最も望ましいと思われます。
III. ミドルマーケットでの執行
ミドルマーケットでのレンディングの成功は、多くの要因に基づいています。これらのうち、ジェネラルパートナーがミドルマーケットローンで提供できる価値提案という観点では、主に以下の3つの要因であると考えています。それは、1)投資機会のソーシング能力を備えた経験豊富なチームとプラットフォーム、2)チーム内に組み込まれた専門性を活用して高いクオリティでセクター調査を行う能力、そしてますます重要になっているものとして、3)投資プロセス全体を通してESGの観点を体系的に統合する能力です。
A. ミドルマーケットのソーシング:魅力的な投資機会
ミドルマーケットでのローン組成には、広範囲にわたるプライベートエクイティ・スポンサー、アドバイザー、サービス・プロバイダー、経営陣との強力なつながりや直接的な関係が必要です。スポンサーは、長い実績、高い評判、信頼関係を持つ経験豊富なプロフェッショナルやプラットフォームから継続して資金調達しようとします。不思議ではないですが、この市場ではそういったスポンサーが閉鎖的な空間を構成していることで知られています。そうしたことから、スポンサーや発行体と緊密な関係のあるプロフェッショナルを配置して、さまざまな資金源を借り手に提供できるようなプラットフォームに適した市場と言えます。
インベスコのソーシングネットワークには、3つの重要なポイントがあります。最初のポイントは、最も差別化されている部分になりますが、インベスコの運用チームメンバーが何十年にもわたって関係を築いてきたプライベートエクイティ・スポンサーとの長年の信頼関係です。インベスコの運用チームメンバーは25年間ミドルマーケットに資金調達ソリューションを提供してきた経験がありますが、信頼できるパートナーから継続して資金を調達しようとする幅広いミドルマーケットのプライベートエクイティ・スポンサーとの間に長年の関係を築いています。2つ目のポイントは、市場をリードしているシンジケートローン・ビジネスで培った機関投資家同士の連携を活用できることです。インベスコのシンジケートローンのプラットフォームは800以上の発行体に資金を提供しており、投資額は380億ドルを超えております。このように、シンジケートローンで洗練されたプラットフォームを活用できることはミドルマーケットへのアクセスにおいても大きなシナジー効果を発揮します。さらにインベスコのプラットフォームでは、200を超えるプライベートエクイティに250億米ドルを超えるローンを提供しています。インベスコはグローバル規模でプライベートエクイティにローンを提供する大手であり、ローンにおける連携強化を目指す多くのプライベートエクイティ・スポンサーと強力な関係を維持しています。最後のポイントは、インベスコの運用チームメンバーがこれまで数十年にわたるミドルマーケットでのデット・ファイナンス経験で培ったもので、アドバイザー、サービスプロバイダー、経営陣といったネットワークとの直接的なつながりです。これらを合わせると何百にもおよぶ潜在的な投資機会につながる可能性があり、これによってインベスコ独自の差別化された投資機会を今後も創出していけると考えます。