グローバル・ビュー

2020年の注目資産—新興国資産や社債、不動産

Invesco Mountain

要旨

新興国の資産や社債、不動産に注目

インベスコのグローバル・マーケット・ストラテジストチームでは、2020年における投資の考え方を資産クラスごとにまとめてみました(図表1)。私たちが地域別の投資先として注目しているのが新興国であり、株式、債券共に「強気」のスタンスです。2020年は景気の底打ちに合わせて、リスクに対する選好度がグローバルに高まるうえ、金融緩和が継続する中で、先進国から投資収益率の向上を目指す資金が新興国に入りやすくなると見込まれます。このほか、投資適格社債、ハイ・イールド債券、不動産にも「強気」としています。

日米の株式には「やや強気」

株式市場を地域別にみると、米国と日本の株式に対しては「やや強気」のスタンスです。2020年のグローバル金融市場では、米中摩擦や米大統領選、ブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)などのリスクが依然として不透明感をもたらすと考えられます。景気がやや改善方向に向かうことがリスク資産への追い風となるものの、資産価格のある程度の振れを前提に、分散投資を心がけることが重要と考えられます。

(図表1)中国:財政収支のシミュレーション
「新興国の資産や社債、不動産に注目

 インベスコのグローバル・マーケット・ストラテジストチームでは、2020年における投資の考え方を資産クラスごとにまとめました(図表1)。私たちが地域別の投資先として注目しているのが新興国であり、株式、債券共に「強気」のスタンスです2020年は景気の底打ちに合わせて、リスクに対する選好度がグローバルに高まるうえ、金融緩和が継続する中で、先進国から投資収益率の向上を目指す資金が新興国に入りやすくなると見込まれます。債券分野では、より高い利回りを求める「イールドハンティング」の動きによって新興国市場に資金が流入する公算が大きいとみられます。

 一方、株式については、全ての新興国に対して「強気」というわけではなく、アジア地域の新興国に対してのみ「強気」のスタンスです。これは、アジアの多くの新興国において、2020年には、①金融緩和の効果、➁比較的積極的な財政政策、➂5Gなどエレクトロニクス関連需要の高まりによる輸出の押し上げ―などの景気サポート要因が働くとみられるためです。特に効果が大きいのは、①であり、新興国では2019年に入ってFRB(米連邦準備理事会)が3回の政策金利引き下げに踏み切ったことで通貨安圧力が弱まり、利下げを積極的に実施してきました。既に利下げを積極的に実施したことで今後の利下げ幅は限定的とみられるものの、これまでの利下げによる効果が今後顕在化していくのに合わせて景気に回復感が強まっていくとみられます。➁については、中国やフィリピン、インド、インドネシアなどの人口が多めの大国においてに比較的大きな規模の財政刺激策が導入されると見込まれ、景気の押し上げに寄与するとみられます。また、中国株については、海外からの中国株購入についての規制緩和など、金融面での自由化の動きに加え、主要新興国株価指数に組み入れる中国A株のシェアが2018年から徐々に拡大している動きが株価を後押しする役割を果たすとみられます。

 債券分野では、投資適格社債とハイ・イールド債券に対して「強気」です。ECB(欧州中央銀行)とFRBは現在総資産を拡大させていますが、2020年は景気減速リスクが高まらない限り、現在の購入ペースを加速させるとは思えません。このため、先進国では政府債利回りがやや上昇するとみられます(先進国政府債については「弱気」のスタンスです)。しかし、2020年は、①グローバル景気がやや上向くと予想されること、➁イールドハンティングの動きが先進国の債券でもさらに強まるとみられること―から、投資適格社債やハイ・イールド債券には「強気」の姿勢です。

 一方、オルタナティブ資産の分野では、特に不動産に注目しています。これは、グローバルに金融緩和が継続することで、不動産の利回りが比較的高い点が注目されやすいためです。従来、不動産はインフレをヘッジできる資産という面で注目されることが多かったのですが、インフレの加速リスクが限られる中、低金利環境のなかでも一定の利回りを得やすいという商品特性が投資資金を引き付ける公算が大きいと考えられます。

日米の株式には「やや強気」スタンス

 株式市場を地域別にみると、米国と日本の株式に対しては「やや強気」のスタンスです。米国株については、民間消費の堅調によって景気が底固く推移する中、低インフレと緩和的な金融環境の継続がサポート材料になると見込みます。リフィニティブが集計するアナリスト予想によれば、2019年のS&P500株価指数採用銘柄の加重平均EPS(一株当たり利益)は、前年比で0.2%とほぼ横ばいにとどまる見通しですが、2020年については9.9%、2021年については10.5%の上昇が見込まれており(図表2)、業績の順調な回復が株価をサポートする展開が見込まれます。なお、米国株のバリュエーションは既に高めの領域に入っているものの、過去を振り返ってみると、株価の短期的な動きに対するバリュエーションの影響は限定的でした。もっとも、米中摩擦や米大統領選挙に伴う不確実性が依然として高いことを踏まえると、株価の振れ幅が大きくなるリスクを意識しておくべきでしょう

 日本株については、(1)2020年の日本の民間消費が底堅く推移する、(2)グローバル景気が新興国を軸に緩やかな上昇基調をたどる―という見方をベースにして、今後、振れを伴いながらも、実際の景気の回復に合わせて緩やかな上昇基調で推移すると予想します(当レポート11月20日号「2020年の日本市場を読む」をご参照ください)。

 2020年のグローバル金融市場では、米中摩擦や米大統領選、ブレグジット(英国のEU離脱)などのリスクが依然として不透明感をもたらすと考えられます景気がやや改善方向に向かうことがリスク資産への追い風となるものの、市場リスクに対する備えも必要になることから、資産価格のある程度の振れを前提に、分散投資を心がけることが重要と考えられます

(図表2)中国:消費者物価上昇率の推移

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MC2019-143