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Investment outlooks 2020 

グローバル・マーケット・ストラテジー:資産クラス別見通し

2020年の世界経済の流れを作る中央銀行と地政学:資産価格別見通し
2020年の世界経済の流れを作る中央銀行と地政学:資産価格別見通し

2020年は、大半の期間で世界の経済成長が鈍化すると予想しています。また、財政出動があまり期待できない中で金融緩和政策が続くと予想されることから、金融市場に対する見通しは景気に対してよりも楽観的で、リスク資産を選好しています。主要資産クラス別の見通しは以下のとおりです。

1.株式

米国
私たちは、2020年も金融政策が株式市場を下支えすると考えています。しかし、現在のような環境下では、投資に際して、より厳しい選択眼が必要になると考えています。米国株式のバリュエーションは割高にみえますが、バリュエーションは必ずしも常に短期的な株価パフォーマンスのよい予測材料になるとは限りません。加えて、低金利や低インフレにより、米国株式の魅力度は高まるでしょう。さらに、「ミニ量的緩和策」推進への期待から、足元では米ドルが弱含んでいます。こうしたことも米国株式のプラス要因となるはずです。したがって、ボラティリティの高まりには注意を払う必要があるものの、2020年の米国株式には強気の見通しです。
 
カナダ
カナダ株式にはやや強気の見通しを持っています。カナダ株式には過小評価されているプラス材料があるため、長期にわたるカナダ株式のパフォーマンスの劣後は終わりを迎えると考えています。米国・メキシコ・カナダ貿易協定(USMCA)はまもなく批准される見込みで、カナダ株式への追い風となりそうです。加えて、カナダの製造業の見通しは引き続き堅調で、企業の景況感の好調さを示唆していることも、株式には明るい材料です。また、カナダ株式は、米ドル安とコモディティ価格の上昇から恩恵を受ける可能性もあります。
 
欧州
私たちは英国を除く欧州株式についてニュートラルの見通しです。バリュエーション(配当利回りや景気循環調整後株価収益率(CAPEレシオ))は非常に魅力的ですが、ユーロ圏経済が底入れしたとの兆候はまだ見られません。英国株式には弱気の見通しです。特に、英国市場は素材(コモディティ)や銀行セクターのウエートが高いことから、収益の減少と配当の伸び鈍化を予想することは理にかなうと考えています。
 
日本
日本株式に対してやや強気の見通しです。メインシナリオで、アジア経済の緩やかな成長と、米国の長期利回りの低下余地が限定的と見込んでいることから、為替市場では円が安定ないしは下落に向かい、日本の株式市場を下支えすると想定されるためです。
 
新興国
新興国全体には強気の見通しを持っています。FRBのより緩和的な姿勢が、新興国株式のプラス材料です。とりわけ、FRBのバランスシートの正常化が最近終了したことにより、新興国からの資金流出圧力が弱まるとみられます。また、投資家の利回り追求の動きが、新興国株式に資金を向かわせると考えています。アジア新興国の株式は、中国とインドの財政刺激策の恩恵を受けそうです。特に中国株式は、同国の金融市場の開放とMSCI指数におけるA株のウエート引き上げがプラス要因となるはずです。ただし、中南米株式は、その多くがコモディティ価格に密接に結びついているうえ、政策の不確実性の影響を受けると予想される国もあることから、弱気の見通しです。欧州新興国の株式は、ユーロ圏の景気減速を踏まえ、ニュートラルとみています。

2. 債券

低金利環境下では、利回りの高い債券がアウトパフォームすると考えています。したがって、利回りの低下が続く見通しの英国債を除き、先進国の国債に弱気の見通しを持っています。利回りが高く、高いトータル・リターンを獲得できる可能性があることから、ユーロ圏の周辺国のような先進国ソブリンのクレジットよりも投資適格社債を選好します。ハイ・イールド債券にプラスの見通しを持っており、ユーロ圏よりも米国のハイ・イールド債券を選好します。スプレッドの拡大とデフォルト率の上昇を考慮しても、ハイ・イールド債券のトータル・リターンは、低利回りの債券より良好と予想しています。新興国債券についても、高利回りとより高いトータル・リターンの可能性を踏まえ、前向きにみています。

3. 不動産

不動産に対して最も良好な見通しを持っています。相対的に高い利回りと、低リターンの環境下で他の資産クラスをアウトパフォームする可能性がその理由です。ユーロ圏と新興国の不動産を選好する一方で、英国の不動産については、ブレグジット問題の解決まで投資を控えたいと考えています。

2019年11月19日

クリスティーナ・フーパー : チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト)

ブライアン・レヴィット : グローバル・マーケット・ストラテジスト(北米担当)

アーナブ・ダス : グローバル・マーケット・ストラテジスト(欧州・中東・アフリカ担当)

デービッド・チャオ : グローバル・マーケット・ストラテジスト(アジア太平洋(除く日本)担当)

木下智夫 : グローバル・マーケット・ストラテジスト(日本担当)

ルカ・トバジ : プロダクト・ディレクター/インベストメント・ストラテジスト

ポール・ジャクソン : グローバル・ヘッド・オブ・アセット・アロケーション・リサーチ

タリー・レジェ : インベストメント・ストラテジスト

ティム・ホースバーグ : インベストメント・ストラテジスト

アンドラース・ヴィーグ : マルチアセット・ストラテジスト

アシュリー・オース : インベストメント・ストラテジー・アナリスト

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