Invesco Japan

長期投資は、総合力とチームプレーが必要なツール・ド・フランスのように。

story-thumbnail3

インベスコは、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことを会社の存在意義(=パーパス)としている独立系資産運用会社です。

私たちが運用する金融商品の中でも、「インベスコ 世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)*1」は、2023年10月2日時点で、運用資産残高9,000億円を突破し、2023年9月で81ヵ月連続での純資金流入を実現。さらには「インベスコ 世界厳選株式オープン」(毎月決算型)/<為替ヘッジなし>単体でも、日本の追加型公募投資信託の中で第8位*2の規模(純資産総額)にまで成長しました。

金融商品というと、どうしても無機質なものとして捉えられがちですが、実際は各ファンドは運用者やアナリストなどがチームで運営しており、それぞれが想いや情熱をもって運用を行っています。

今回のストーリーでは、その「世界のベスト」を大きく成長させた立役者で、運用責任者のスティーブン・アネスが「世界のベスト」への想いや投資哲学について、語ります。

*1「インベスコ 世界厳選株式オープン」<為替ヘッジあり>(毎月決算型)/<為替ヘッジなし>(毎月決算型)/<為替ヘッジあり>(年1回決算型)/<為替ヘッジなし>(年1回決算型)/<為替ヘッジあり>(奇数月決算型)/<為替ヘッジなし>(奇数月決算型)」(追加型投信/内外/株式)6ファンドの愛称。
*2 出所:Fundmark/DL。2023年9月末の残高(推計値)が取得できる追加型公募投資信託を抽出・比較、ETF、DC・ラップ・SMA専用などを除く。

Stephen Anness

インベスコ 英国(ヘンリー)拠点
グローバル株式ヘッド (Head of Global Equities)兼グローバル株式チーム ポートフォリオ・マネジャー (Global PM)

「世界のベスト」運用責任者
スティーブン・アネス/Stephen Anness

「世界のベスト」の運用で私たちが大切にしていること

「世界のベスト」は、日本を含む世界(新興国を除く)の株式の中から、株式投資の王道と考える「成長」「配当」「割安」に着目した上で厳選して投資する、私たち自身で企業調査から運用まで行っているファンドです。

私は、2020年に「世界のベスト」運用チームの責任者になりました。チームは、様々なキャリアを持つ8名の少数精鋭で構成されています。
それぞれのエキスパートが独自の見解や知識を持ちファンド運営に臨んでいるので、必ず全員が立ち返る共通の場所として大切にしているのが投資哲学です。
それは「短期の流れに惑わされず、しっかりと長期的な視点に立って、お金を預けてくださっている顧客の人生をより豊かなものにすること」です。

さらに私個人として、投資哲学の実践のために「誠実であること」「信頼されること」をいつも忘れないようにしています。これらの価値観はファンドの運用責任者になってから、より強く意識するようになりましたが、根底には私が今まで歩んできた人生も多分に影響していると感じています。
 

「世界のベスト」運用チーム・メンバー

「世界のベスト」運用チーム・メンバー

インターンシップで知った資産運用の奥深さと想い

私は大学で経済学を学び、その頃は幅広い分野の金融業界に興味を持っていました。
それは資産運用会社だけに限らず、証券会社や銀行など多岐にわたります。

その中でインベスコに入社を決めたきっかけは、大学2年次に参加したインターンシップです。

一つ目は、インベスコが投資に対して明確な哲学をもっていることでした。
私が配属されたチームは、投資先を検討する際に数字上の企業成長だけではなく、企業の経営陣が信頼できるかなどの定性的な側面も重要な要素として捉えており、仮に今はまだあまり成長がみられなくても将来性を鑑み、長期的な視点に立って投資先を探すことが顧客にとって真の価値につながると考え、情熱をもって仕事に取り組んでいました。

私はチーム内の一員としてその仕事に参加することで、「最終顧客が誰であるかを考えること」、そして「長期的な視点に立って顧客が豊かに過ごせること」を目標とする仕事の姿勢につながりました。

またインベスコが持つ価値観が最終顧客への姿勢にもよく表れていたことも非常に共感できました。
私がインターンをしているとき、顧客から営業チーム宛ての電話が、誤って運用チームにかかってきた事がありました。通常であれば、間違い電話は、速やかに正しい部署に転送をすることがほとんどです。しかし、電話を取った上司は顧客にしっかり向き合うことこそ、顧客だけでなく、ひいてはインベスコの価値につながると判断して、対応していたことを記憶しています。
結局、上司は1時間近く話しており、その最終顧客と向き合う姿勢から、仕事に対して誠実に向き合い続けることの大切さを教えてもらったと思います。

このような体験などから、インベスコの投資哲学への共感を深め、就職活動の際に迷わずインベスコに応募し、2002年7月英国・ヘンリーの株式チームにアナリストとして配属されることになりました。

当時の仕事のミッションは、運用を行うために投資対象企業の財務状況や業績を分析したり、経営陣との面談や市場調査を通して、厳選する銘柄をより適正に、より良いものにすることです。これらの仕事は知識だけでなく、実務的な経験やスキルが必要とされるため通常であれば実務経験を積みながら目指すのが一般的で、新卒で採用されることは非常に稀です。インターンとしての経験もあると思いますが、インベスコは個人の可能性の部分に目を向け、成長力を引き出してくれる文化があり、そのような会社に巡り合えた私はとても運がよかったと思っています。

自然とお金の動きに興味を持つきっかけとなった幼少時代
写真は、ハーバーフォードウェストのイメージ写真です。

写真は、ハーバーフォードウェストのイメージ写真です。

私が生まれたのは、英国のハーバーフォードウェストという小さな町です。
当時の記憶として今も忘れられないのが、私の両親が家族のために信じられないほど一生懸命働いていたということです。

それは両親がヨークシャーのあまり豊かではない家庭出身で、家族の中でも初めて大学に進学した人たちだったため勤勉に働くこと、そしてお金の重要性について、常に強い想いを持っていたためだと思っています。

そのように家族のために一生懸命尽くして働く姿は、先にお話しした上司の真摯な姿勢とともに、私の顧客や最終顧客に向き合う心構えとして刻み込まれています。

また両親は、人生にしっかりとした価値観を持つよう育てることにも熱心で、「労働倫理」「誠実さ」「信頼されること」の3つを特に大切に教えてくれました。

さらに引退後の貯蓄についても、しっかりと計画立てて取り組んでいましたが、資産を大きく増やすよりは、一生懸命働いて得たものを失わないことに、とても注意を払っていました。

直接、金融教育を受けたことはありませんでしたが、両親の働き方や価値観、そして計画的に資産形成をしていく姿勢は、自然とお金の大切さや働き方を学ぶ機会となっただけでなく、今の仕事に対する興味に大きな影響をもららしたと思います。


今、ファンドの運用責任者となった私がとても大切にしている価値観は「着実に実績を積んでいくことで、信頼してもらうこと」、「成功しているときはもちろん、失敗したときも誠実に対応すること」です。

また、「お金を預けてくださる投資家はお金を増やしたいと思っているが、それ以上に預けたお金を失わないことを大切にしている」ということも、常に心に留めるようにしています。
 

「世界のベスト」運用チーム・メンバーでの会議風景

「世界のベスト」運用チーム・メンバーでの会議風景

まるでツール・ド・フランスのような長期投資の世界

私たちの投資哲学と運用の流れは一貫しており、今後も変更することはありません。

ただ投資は非常に厳しい世界です。行動としては「安く買って、高く売る」 を繰り返すことで利益を出していきますが、いつでも高いパフォーマンスを出し続けることはどんなに優秀な運用責任者でも難しいことです。

しかし、そのような中でも「短期の流れに惑わされず、しっかりと長期的な視点に立って、お金を預けてくださっている投資家の人生をより豊かなものにすること」を忘れず、失敗から学び、課題に挑戦し、克服することで常に改善を図り、最終的に高いパフォーマンスを実現する。そして、それらの取り組みを通して、私たちを信じてくれた投資家に還元していきたいと考えています。

私は、長期投資はツール・ド・フランスに似ていると思っています。
ツール・ド・フランスでは、各ステージではなく最終的な総合評価で優勝が決まること、またチームプレーが自チームを勝たせる上で重要な要素となります。

私たちが行っている長期投資でも運用チーム内のことはもちろん、投資家の方々とのチームプレーが重要です。

優れたパフォーマンスを発揮するためには、関係者が短期的な相場環境の流れに惑わされず、それぞれの市況で時には我慢したり、アクセルを踏む場面では最適な動きをすることが大切で、長期的に最高のリターンを生み出すためには、私たちと投資家の方々の信頼関係がもっとも重要な要素になります。

写真は、ツール・ド・フランスのイメージ写真です。

写真は、ツール・ド・フランスのイメージ写真です。

日本での長期投資も当たり前に

私の暮らす英国では、個人が長期の資産形成をするための制度が整っており、成人人口の約半数が制度を利用しています。

一方、日本人の方の金融資産の半分以上は現金・預金が占めています。現在のような低金利環境下では資産が増えないことは理解しているが「それでは投資をしましょう」というと、やはり身構えてしまう方が多いのではないでしょうか。それは私の両親が感じていた「お金を増やしたいと思っているが、それ以上に預けた資産を失わないことを大切にしている」気持ちと一緒だと思っています。

そのためにも私ができることは、まず自身の仕事を通して信頼していただくことだと思っています。その上で、皆さんに長期投資の素晴らしさを感じていただき、そして未来を楽しむための手段にしていただくことをお手伝いできたらと考えています。

また日本でも、2024年からNISAの拡充と口座が恒久化される予定と聞いています。これらの制度を活用することで、日本でも長期の資産形成が一般的なものとなり、多くの人の人生をより豊かなものにするきっかけになればと期待しています。

資金循環の日米欧比較(2022年8月)
資金循環の日米欧比較(2022年8月)

出典:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較(2022年8月)」をもとにインベスコ作成

※1999 年に英国民の貯蓄率の向上を目的として導入された恒久的な非課税の個人貯蓄口座(ISA)は、今では成人人口の約半数が口座を保有し、長期の資産形成の手段として広く利用されているだけでなく、日本でのNISAのモデルにもなりました。

私が目指すこれからの「世界のベスト」について

日本で20年を超える運用実績を持つ『世界のベスト』は、運用責任者として大きな一歩を踏み出させてくれただけでなく、大切に育てている想いが詰まっている商品です。そんな商品がここまで大きくなったのは、いつも支えてくださっている日本の投資家の皆さんとのチームプレーのお陰だと考えています。

私の目標は、これからも『短期の流れに惑わされず、しっかりと長期的な視点に立って、お金を預けてくださっている投資家の人生をより豊かなものにする』ことです。

そのためには、さまざまな市況下でも良い仕事をして、しっかりと顧客と信頼し合える関係を続けていきたいと思います。

金融商品は、それに携わる人の姿が見えづらいサービスといわれていますが、「世界のベスト」の運用責任者であるスティーブンのストーリーを通して、運用者がどのような想いでファンドを運用し、皆様にご提供させていただいているのか、投資に対する哲学や情熱が「手触り感のある金融の世界」として、少しでもお伝えできれば幸いです。

alt text
「世界のベスト」運用責任者

スティーブン・アネス

スティーブン・アネスは、インベスコ(英国ヘンリー拠点)のファンド・マネジャー兼グローバル・エクイティ・ヘッドを務め、グローバル・エクイティ・インカム戦略の運用を担当。 2009年よりグローバル株式ポートフォリオにて投資アイデア創出と銘柄選択において 重要な役割を担う。2013年1月1日にグローバル株式オポチュニティ運用戦略の責任者に就任。 2002年7月にトレーニー・アナリストとしてインベスコに入社、英国ヘンリー拠点の英国 株式チームにて運用キャリアを開始。2004年に英国株式ポートフォリオの運用に着手し、2008年に自身初となる英国株式ファンドの運用担当者を経て、2012年末にグローバル株式チームに 異動。 セキュリティ・インスティテュート・ディプロマで経済学士号を取得 英国CFA協会のインベストメント・マネジメント・サーティフィケート資格保有 ロンドン・ビジネス・スクールにてコーポレート・ファイナンスを学ぶ。