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2023年回復が期待される消費市場~設定1周年レポート

インベスコ 世界消費関連成長株ファンド

2023年回復が期待される消費市場~設定1周年レポート

当ファンドが設定された2022年2月以降、世界的なインフレと利上げが経済や金融市場に大きな影響を与えました。これらは消費者心理にも逆風となりましたが、2023年は環境が変化し、消費市場の回復が期待されると考えています。

当レポートでは、設定来の当ファンドの運用状況を振り返るとともに、今後の消費市場への見通しや投資方針などについてお伝えします。

設定来のパフォーマンス

設定来基準価額の推移 2022年2月8日(設定日)~2023年1月31日
2022年業種別騰落率と今後3年間の1株当たり利益(EPS)成長率予想

* 期間:2022年12月末~2023年1月末 業種別騰落率は、MSCIワールド・インデックス(配当込み、米ドルベース)のもの。
出所:ブルームバーグ、インベスコ 基準価額は信託報酬控除後のものです。基準価額(課税前分配金再投資)の数値を使用しています。基準価額(課税前分配金再投資)は、課税前の分配金を分配時にファンドへ再投資したとみなして算出したものです。2023年1月31日現在分配実績はありません。業種はGICS(世界産業分類基準)に準じています。上記銘柄への投資を推奨・勧誘するものではなく、当ファンドにおける将来の組み入れまたは売却を示唆・保証するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の成果を保証するものではありません。上記は、2023年1月末時点における運用チームの見解を示したものであり、将来予告なく変更されることがあります。

消費関連株式市場の振り返り
  • 当ファンド設定後の世界の消費関連株式は、設定直後に起こったロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けた地政学リスクの急激な高まり、同紛争に伴うエネルギー供給への懸念、景気後退への懸念などから、大きく下落する展開となりました。その後、急激なインフレ上昇に伴う主要国での利上げ加速を受け消費者心理が下押しされたことに伴い、業績見通しが悪化したため、2022年間を通じてみてみると下落幅が他のセクターと比較して大きくなる展開となりました。しかし、2023年に入ってからは、インフレ圧力の鈍化を受けて消費者センチメントの底打ち期待などから、当ファンドで高い組入比率を占める「一般消費財・サービス(+14.6%)」や「コミュニケーション・サービス(+13.0%)」は、他のセクターを上回る上昇となっています*。

運用状況の振り返り
  • このように世界的にマクロ経済環境が大きく変動する中、当ファンドの基準価額は下落を余儀なくされました。主に、長期トレンドとして、消費行動のオンライン化の進展に着目して保有していた「インターネット販売・通信販売」銘柄であるアマゾン・ドット・コムや、環境意識の高まりから電気自動車(EV)のシェア拡大を見込んで保有していた「自動車」銘柄のテスラの株価が下落したことなどがマイナス要因となりました。
  • 一方、主なプラス要因としては以下のものが挙げられます。
    – 長期トレンドとしては、動画視聴のモバイル化の進展を捉えるために保有していたネットフリックスなどの「エンターテインメント」銘柄がプラスに寄与しました。
    – 短期トレンドとして着目していた「ホテル・レストラン・レジャー」では、コロナ禍からの社会活動の正常化から人の動きが活発となった恩恵を受けたフィットネスや娯楽スポーツセンターなどを運営する企業や、カジノを運営するホテルなどの銘柄がプラスに寄与しました。また、賃料引き上げなどによりインフレ環境下で強みを発揮する傾向にある「エクイティ不動産投資信託(REITs)」の銘柄に投資を行ったことは、基準価額の下落率を抑える要因となりました。

2023年の消費関連株式の回復を予想する3つのポイント

3つのポイント

ポイント1 2023年以降の消費関連の利益成長率は相対的に堅調さが見込まれる
  • 2022年の業種別騰落率を見てみると、当ファンドの投資対象となる消費関連株式は大きく下落しました。急速に上昇したインフレを抑制するため、主要中央銀行が利上げを加速したことが消費を減速させました。
  • 運用チームは、この消費関連関連株式の状況は売られすぎだと考えています。インフレが徐々に落ち着いてきており、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め策の緩和について模索し始めています。これは消費関連株式へのサポート材料になると見込んでいます。
  • また、インフレの落ち着きにより、当ファンドの構成比率の高い「コミュニケーション・サービス」セクターや「一般消費財・サービス」セクターに含まれる主要な消費関連企業の成長が見直され、2023年以降の消費関連セクターの利益成長率は相対的に堅調となることが予想されています。
  • このような環境下、これまで大きく売り込まれた消費関連株式の回復が期待されると考えています。
2022年業種別騰落率と今後3年間の1株当たり利益(EPS)成長率予想
2022年業種別騰落率と今後3年間の1株当たり利益(EPS)成長率予想

* 代表ファンドについては、ポイント3の注記をご参照ください。出所:ブルームバーグ、インベスコ業種別騰落率とEPSは世界株式(MSCIワールド・インデックス(米ドルベース))のもの。騰落率は、配当込み。業種は、世界株式の業種別インデックスのもの。当ファンドの組入比率は、2023年1月末現在(対純資産比率)。マザーファンドのポートフォリオの状況を記載しています。EPS成長率は、ブルームバーグ集計のアナリストによるコンセンサス予想(2023年2月15日現在)。上記は過去のデータまたは予想であり、将来の成果を保証するものではありません。上記は、2023年1月末時点における運用チームの見解を示したものであり、将来予告なく変更されることがあります。

 

ポイント2 消費大国である米国において、消費マインドのサポート材料が見られる
  • インフレが個人消費を減速させましたが、足元では消費者のセンチメントが回復傾向にあります。加えて、新型コロナウイルス対応の財政出動がもたらした貯蓄の積み上がりが、コロナ前の状況と比較して高水準となっていることから、家計には消費余力があると見込まれます。
  • 米国のインフレはピークアウトしてきています。背景には、モノ(コア財)やエネルギーの価格の低下があります。一方、まだ高止まっている家賃やコア・サービスの価格は、①FRBの急速な利上げによる住宅市場の鈍化、②人手不足の解消による賃金上昇の落ち着きなどから、緩やかながらも低下してくると見ています。インフレの沈静化は消費行動をサポートすると考えています。
コロナ前と後の米国の家計の累積貯蓄額の比較/米国消費者物価指数(CPI)の寄与度分解

出所:ブルームバーグ、CEIC、インベスコ
【左グラフ】CEICのデータよりインベスコ作成。家計貯蓄額は、家計可処分所得と家計支出の差額データを使用。
【右グラフ】期間:2019年1月~2023年1月

ポイント3 代表ファンド*の過去の実績では、様々なイベントで株式が大きく下落した後は回復を見せた
  • 長期の運用実績を持つ当運用戦略の代表ファンド*で、過去大きなショックやイベントで下落した局面後の1年間のパフォーマンスを見てみると、過去の下落を取り戻すかたちで上昇しました。
  • 外的な要因や急激な環境の変化で大きく売られた場合、その要因が剥落することで企業の本来の価値が見直され、株価が回復することが期待されます。さらに今回の局面においては、消費関連企業の業績回復が期待されていることも株価を後押しする材料になると考えています。
当運用戦略の代表ファンド*の過去の下落局面とその後1年間のパフォーマンス(米ドルベース)
当運用戦略の代表ファンド*の過去の下落局面とその後1年間のパフォーマンス(米ドルベース)

* 当ファンドと同一の運用戦略を採用する外国籍の「Invesco Global Consumer Trends Fund A-Acc Shares(米ドル建て)」の過去の運用実績および投資行動について、現在の運用責任者が担当を開始した2011年5月以降の情報をご紹介しています(運用報酬控除後)。当ファンドの設定日が2022年2月8日であることから、長期の実績をご説明する目的で、同一の運用戦略を採用し、最長の運用実績を有する代表ファンド(設定日:1994年10月3日)の情報を掲載しています。当ファンドの実績ではありません。
当ファンドまたは代表ファンドの将来の投資成果を示唆・保証するものではありません。
出所:ブルームバーグ、CEIC、インベスコ

【グラフ】上記の下落局面は、グラフ期間において直近高値から15%以上下落した局面を掲載しています、それぞれの下落と戻りの期間は以下の通りです。下落局面①:2011年6月1日~2011年10月4日、2011年10月4日~2012年10月4日、下落局面②:2015年7月24日~2016年2月11日、2016年2月11日~2017年2月10日、下落局面③:2018年10月1日~2018年12月27日、2018年12月27日~2019年12月27日、下落局面④:2020年2月13日~2020年3月19日、2020年3月19日~2021年3月19日、足元の下落局面:2021年2月16日~2022年11月10日(下落開始から2023年1月末までの最大下落した期間を算出。今後の市場動向によっては、この期間が最大下落率とならない場合があります。)上記は過去のデータであり、将来の成果を保証するものではありません。上記は、2023年1月末時点における運用チームの見解を示したものであり、将来予告なく変更されることがあります。

 

今後の市場見通し・投資方針

運用チームの市場見通し
  • 世界の株式市場は、不確実性の高まりから方向感の定まらない展開が続いていますが、こうした状況から一部の長期的に成長が期待される企業に、割安な水準で投資が出来る機会が生まれていると考えています。
  • 昨年の株式市場を大きく変動させた要因の一つであるインフレ率については、既にピークに達しています。サプライチェーンの問題はあるものの、改善傾向にあると言えます。そのため、景気の過熱感が抑えられている状況と見ています。
  • 引き続きインフレ、経済成長、金融政策などの消費行動への影響に注視が必要であるものの、雇用環境は安定しており、家計の信用状況が相対的に健全な状況にあることから、消費活動の急減速は抑えられると考えています。インフレについては、長期的には、テクノロジーの進化やシェアリングによる生産性の向上などが構造的な抑制力として働くと見ています。

今後の投資方針

引き続き、徹底的なボトムアップ・ファンダメンタルズ分析による独自の投資アイデアに基づき、世界の消費トレンドの変化を捉える有望企業を厳選して投資を行います。

 

長期トレンドの投資方針

2023年後半以降は、過去10年間に対して比較的緩やかな経済成長になるものと見込んでいます。こうした環境下では、経済規模を表す国民総生産(GDP)などで示される経済全体の伸びに依存して成長する企業と比較して、市場シェアの拡大やイノベーションなどによって成長を実現する企業の優位性が高いと考えています。長期トレンドにおいては、このような企業の発掘に努めます。

株価下落で割安感の高まった「Eコマース」、「デジタル・エンターテインメント」、「インタラクティブ・メディア」関連銘柄などを選好、「電気自動車(EV)」関連銘柄についても前向きな見通し

  • インフレリスクや景気後退懸念が高まる環境下でも、消費者がデジタル技術をライフスタイルに取り込む、長期トレンドに変化はありません。運用チームでは、こうした長期的な消費の構造変化の恩恵を受け、市場シェアの拡大やイノベーションにより収益を拡大していく「Eコマース」関連銘柄、中でも各地域、分野でのリーダー企業に注目しています。その他「デジタル・エンターテインメント」、「インタラクティブ・メディア」などの関連銘柄を高位に組み入れています。また、これらの銘柄は、足元の株価下落を受けて割安感が高まったと考えています。
  • 加えて、世界的に政府による補助金制度の進展などから、「電気自動車(EV)」関連銘柄への構造的な需要拡大が期待され、主要部品のサプライチェーンに関する問題も緩和されつつあるため、前向きな見通しを持っています。

 

短期トレンドの投資方針
経済正常化の動きや、中国の景気回復による恩恵を受けると考えられる「ホテル・レストラン・レジャー」などに関連した銘柄を選好、一方アパレルや多店舗展開する「小売」関連銘柄については低位の組み入れ

  • ①世界的に経済正常化の動きにより、レジャー・ビジネス関連の往来が増加傾向にありその恩恵を受けること、②中国においては、「ゼロコロナ」政策の大幅な緩和を受けた「経済再開」が寄与すること、などから「ホテル・レストラン・レジャー」関連銘柄に着目しています。
  • 一方、欧米の景気減速を勘案し、景気動向の影響を受けやすいアパレルや多店舗展開する「小売」関連銘柄や、負債比率が高い銘柄などについては組み入れを低位とする方針です。

注釈について

  • 出所:インベスコ業種はGICS(世界産業分類基準)に準じています。国・地域は、発行体の国籍(所在国)などで区分しています。
    上記は、2023年1月末時点における運用チームの見解を示したものであり、将来予告なく変更されることがあります。


その他詳細は下記PDF版をご参照ください。

インベスコ 世界消費関連成長株ファンド 【愛称:トレンド・シフト】

身近な「消費」を投資テーマに長期と短期のトレンドを捉えるファンド。世界の成長をけん引する「消費」に着目。

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