【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年8月号」
本稿では、米国・欧州・英国の債券市場が追加利上げを過度に織り込んでいる可能性に注目しています。米国では、インフレの鈍化や成長モメンタムの緩やかな減速を背景に、FRBは追加利上げではなく政策金利の据え置きを継続するとの見方を示しています。
スモールキャップ(小型企業)のディストレストとスペシャルシチュエーションの市場には構造的な非効率性があり、いろいろな業種においてクレジットサイクルにあまり左右されない投資機会が発生します。スモールキャップの負債の多くは未上場会社によって発行され、少数の投資家グループが保有しています。そのため、こうした負債の取引は少なく、また、セルサイドやトレーダーもあまりカバーしていません。スモールキャップは幅広いセクターに存在しますが、それぞれ個別の事情によるクレジット上の問題(運転資本の不足、顧客の喪失、薄いシナジー効果、経営上または製造上の問題など)が発生するため、あらゆる環境でさまざまなディストレスト投資の機会が生まれます。
現在のマクロ環境を踏まえると、スモールキャップのディストレストとスペシャル・シチュエーションの投資機会がさらに増えると思われます。非投資適格のクレジット市場は6兆ドル規模に大きく成長したため、デフォルト率自体がそれほど上昇しなくても、ディストレスト投資の機会は2008年や2009年時点よりも恵まれるでしょう。その拡大するディストレスト投資の対象には、最近発行された低格付けの負債や2027年までに満期を迎える負債がかなり含まれると思われます。こうした負債の多くは、格付機関の格下げやそれに伴う売り圧力に晒されると思いますが、潜在的には魅力的なディストレスト投資の機会を提供すると考えます。これらの企業の多くは変動金利の負債を抱えており、これまでの大幅な金融引き締めによって、原材料価格や人件費の高騰の影響に加えて、一層の負担がかかっています。
上記はラージキャップ、スモールキャップともに当てはまりますが、足元の高金利は、特にスモールキャップに影響があります。固定費カバー率(FCCR)は、フリー・キャッシュ・フロー(EBITDAから税金と設備投資額を差し引いたもの)を固定費(金利と返済元本)で割ったものですが、企業が固定費をカバーするのに十分なキャッシュ・フローをどの程度生み出すことができるかを示します。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を500ベーシス・ポイント以上引き上げる中で、スモールキャップのFCCRは平均1.4倍から1.1倍へと21%低下しました(図1をご参照)。さらに、FCCRが1.0xの閾値を下回ると経営難に陥る可能性を示唆しますが、その比率は2023年第2四半期の時点で31%に急増しています。この数値は直近12ヵ月間のデータに基づいていますが、現在の政策金利(約5.5%)を適用すると、上記の閾値を下回るスモールキャップの比率は44%に増加します(図2をご参照)。
こういった企業のスポンサー(PE)は、投資先企業の過剰な負債を認識して、流動性の確保と負債の期日延長だけでなく、ローン契約書の修正などを含めた包括的なソリューションを求めるようになっています(図3をご参照)。こういったスペシャル・シチュエーションと呼ばれる状況から、投資家は魅力的なリターンを得ることが期待できます。こういった投資機会は、かなり以前に組成されたPEファンドの投資先企業に多く見られます(図4をご参照)。
上記から、スモールキャップに困難が生じつつあることが窺われますが、こういった傾向はしばらく続くと思われます。足元でディストレスト状況に陥っている企業の状況を過去のケースと比較すると、ビジネス運営上の大きな問題があるというよりも、流動性の不足で資金繰りに支障が出ているといった傾向が見られます。「本質的には良いビジネス」でありながら、負債が多すぎるなど「悪いバランスシート」を抱える企業には、本源的価値を下回る価格で投資する機会が見出されます。こういった投資対象が増えれば、魅力的なリターンを提供するだけでなく、そのリスクも小さくなると考えます。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年8月号」
本稿では、米国・欧州・英国の債券市場が追加利上げを過度に織り込んでいる可能性に注目しています。米国では、インフレの鈍化や成長モメンタムの緩やかな減速を背景に、FRBは追加利上げではなく政策金利の据え置きを継続するとの見方を示しています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年7月号」
本稿では、6月に開催されたIFIグローバル・インベスターズ・サミットでの議論を踏まえ、世界のマクロ経済およびクレジット市場に関する見通しを整理しています。米国については、AIによる生産性向上が中長期的な成長の押し上げ要因になるとの見方を示す一方、その効果の発現時期や規模には依然として不確実性が大きいとみています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年6月号」
本稿では、AI関連投資の急拡大が米国経済の成長ドライバーとして存在感を高めている点に注目しつつも、その恩恵が経済全体に広く波及しているわけではないという構図を示しています。テクノロジー分野を中心とした設備投資は引き続き力強い一方で、個人消費や住宅市場の弱さが重しとなり、米国経済の成長率は潜在成長率に近い2〜2.5%程度にとどまるとみています。また、AI投資は「スーパーサイクル」と位置付けており、今後数年にわたり継続的な需要拡大が見込まれると考えています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年5月号」
本稿では、イラン紛争を巡る停戦を受けたマクロ環境の変化と、それに伴うエネルギー価格の動向が、グローバル債券市場に与える影響について整理しています。エネルギー価格の上昇により短期的にはインフレ率の上振れが見込まれる一方、米国経済は構造的なバッファーに支えられ、成長率は潜在成長率付近を維持するとの見方を示しています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年3月号」
本稿では、エマージング市場を中心としたグローバル債券環境の最新動向を整理しています。米ドル安またはドルの安定が想定されるなか、エマージング市場ではマクロ・ファンダメンタルズの改善が進み、現地通貨建て債券を中心に有望な投資機会が広がっています。多くの国でインフレの沈静化や外部収支の改善が進んでおり、高い実質利回りと政策柔軟性が中期見通しを支えています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年2月号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年1月号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年11月・12月合併号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年10月」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年9月」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
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