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【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年5月」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
スモールキャップ(小型企業)のディストレストとスペシャルシチュエーションの市場には構造的な非効率性があり、いろいろな業種においてクレジットサイクルにあまり左右されない投資機会が発生します。スモールキャップの負債の多くは未上場会社によって発行され、少数の投資家グループが保有しています。そのため、こうした負債の取引は少なく、また、セルサイドやトレーダーもあまりカバーしていません。スモールキャップは幅広いセクターに存在しますが、それぞれ個別の事情によるクレジット上の問題(運転資本の不足、顧客の喪失、薄いシナジー効果、経営上または製造上の問題など)が発生するため、あらゆる環境でさまざまなディストレスト投資の機会が生まれます。
現在のマクロ環境を踏まえると、スモールキャップのディストレストとスペシャル・シチュエーションの投資機会がさらに増えると思われます。非投資適格のクレジット市場は6兆ドル規模に大きく成長したため、デフォルト率自体がそれほど上昇しなくても、ディストレスト投資の機会は2008年や2009年時点よりも恵まれるでしょう。その拡大するディストレスト投資の対象には、最近発行された低格付けの負債や2027年までに満期を迎える負債がかなり含まれると思われます。こうした負債の多くは、格付機関の格下げやそれに伴う売り圧力に晒されると思いますが、潜在的には魅力的なディストレスト投資の機会を提供すると考えます。これらの企業の多くは変動金利の負債を抱えており、これまでの大幅な金融引き締めによって、原材料価格や人件費の高騰の影響に加えて、一層の負担がかかっています。
上記はラージキャップ、スモールキャップともに当てはまりますが、足元の高金利は、特にスモールキャップに影響があります。固定費カバー率(FCCR)は、フリー・キャッシュ・フロー(EBITDAから税金と設備投資額を差し引いたもの)を固定費(金利と返済元本)で割ったものですが、企業が固定費をカバーするのに十分なキャッシュ・フローをどの程度生み出すことができるかを示します。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を500ベーシス・ポイント以上引き上げる中で、スモールキャップのFCCRは平均1.4倍から1.1倍へと21%低下しました(図1をご参照)。さらに、FCCRが1.0xの閾値を下回ると経営難に陥る可能性を示唆しますが、その比率は2023年第2四半期の時点で31%に急増しています。この数値は直近12ヵ月間のデータに基づいていますが、現在の政策金利(約5.5%)を適用すると、上記の閾値を下回るスモールキャップの比率は44%に増加します(図2をご参照)。
こういった企業のスポンサー(PE)は、投資先企業の過剰な負債を認識して、流動性の確保と負債の期日延長だけでなく、ローン契約書の修正などを含めた包括的なソリューションを求めるようになっています(図3をご参照)。こういったスペシャル・シチュエーションと呼ばれる状況から、投資家は魅力的なリターンを得ることが期待できます。こういった投資機会は、かなり以前に組成されたPEファンドの投資先企業に多く見られます(図4をご参照)。
上記から、スモールキャップに困難が生じつつあることが窺われますが、こういった傾向はしばらく続くと思われます。足元でディストレスト状況に陥っている企業の状況を過去のケースと比較すると、ビジネス運営上の大きな問題があるというよりも、流動性の不足で資金繰りに支障が出ているといった傾向が見られます。「本質的には良いビジネス」でありながら、負債が多すぎるなど「悪いバランスシート」を抱える企業には、本源的価値を下回る価格で投資する機会が見出されます。こういった投資対象が増えれば、魅力的なリターンを提供するだけでなく、そのリスクも小さくなると考えます。
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【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年1月」
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