【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年8月号」
本稿では、米国・欧州・英国の債券市場が追加利上げを過度に織り込んでいる可能性に注目しています。米国では、インフレの鈍化や成長モメンタムの緩やかな減速を背景に、FRBは追加利上げではなく政策金利の据え置きを継続するとの見方を示しています。
ショーンバーグ:債券市場で大きなリターンが見られない理由のひとつは、経済成長が多くの人々の予想を上回る中で利回りが高止まりしていることが挙げられます。年初から、私たちはソフトランディングを基本シナリオとしてきましたが、それが現実のものになりつつあります。
雇用市場は引き続き好調で、インフレ率も昨年のピークである9%から3%台まで低下しています。金利は高水準で推移しており、良好なインカムが期待できますが、トータル・リターンにはその兆しがまだ現れていません。米連邦準備制度理事会(FRB)が2024年に利上げを停止し利下げを行うことで、期待されていたプラスのトータル・リターンがもたらされると考えています。
ブリル:私たちは今が終わりの時だと感じています。先物市場は今年後半の利上げの可能性を五分五分と示唆していますが、利上げがないとしても、現在5.25%~5.50%のフェデラルファンド金利は経済にとって抑制的と言えるでしょう。私たちは、FRBが再利上げをする必要はないと考えています。私たちの考えでは、金利据え置きはある意味、利上げのようなものと言えるでしょう。FRBの利下げ開始は2024年5月と予想しています。インフレ率が低下しているという事実は、FRBが利下げが必要だからとの理由でなく、利下げしたいとの理由から利下げすることを可能にするでしょう。
ショーンバーグ:クレジット・リスクをそれほど増やすことなく、適正な利回りを得られる段階にようやく到達しました。投資適格債、住宅ローン担保証券(MBS)、BB格のハイ・イールド債などのセクターで、利回りは軒並み魅力的な水準になっていると考えています。24カ月前に非投資適格と格付けされながら、8月にスタンダード&プアーズによってBBB+格に格上げされたネットフリックスのような一部の銘柄には強さが見られます。
現在の注目しているのは銀行セクターです。3月には過去最大規模の銀行破綻が3件発生し、銀行セクターのボラティリティが高まりました。私たちにとって、このような変動は潜在的な投資機会をもたらします。銀行ルールは銀行の安全性を高めるために変更されましたが、多くの銀行は依然としてスプレッドが拡大したままの水準で取引されています。「ビッグ6」銀行(バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、シティ、JPモルガン、モルガン・スタンレー)、およびスーパーリージョナルバンクや質の高い地銀は、過去の平均値よりスプレッドが拡大した状態で取引されており、、魅力的な投資機会を提供すると考えています。銀行セクターではスプレッドが縮小すると予想しており、これは追加的なアルファーをもたらすと考えています。
また、現在の水準ではエージェンシー・モーゲージ担保証券を選好しています。住宅所有者の観点からは、7%超の住宅ローン金利は厳しい状況ですが、投資家としてはこの水準は魅力的です。住宅ローン担保証券の利回りがこれほど高いのは久しぶりのことです。
ブリル:この問題は「損益分岐点」の計算に行き着きます。利回りが非常に高いため、債券のトータル・リターンがマイナスに転じるには、利回りが大幅に上昇する必要があります。経済が好調を維持すれば、今後6~9カ月は6~7%の利回りが続くでしょう。景気が悪化すれば、トータル・リターンは大きくなるでしょう。「どちらに転んでも損はない」ような状況です。重要なのは、デュレーションを短くしないことです。イールドカーブのフロントエンドに留まり、魅力的な利回りを獲得したいのはやまやまですが、それにはリスクが伴います。FRBが利下げ開始した時に、デュレーションを求め奔走するのを避けるには、利回りを長く固定化することです。
ショーンバーグ:注目すべきは再投資と計画リスクです。6.5%台の利回りを見るには、2009年や2000年当時を振り返る必要があります。確かに、今はイールドカーブのフロントエンドで魅力的な利回りが見られていますが、FRBが利下げを開始すれば、そうした利回りはなくなってしまうでしょう。図4は、Bloomberg US Corporate Bond Indexのイールド・トゥ・ワーストが6%に達したときの5年先のトータル・リターン(年率)を示しています。これらの例は、利回りが6%でスタートしたときの利回りの力強さを示しています。
ショーンバーグ:FRBが利下げに踏み切った場合、「現金の壁」が押し寄せてくると思われます。マネーマーケット・ファンドに積みあがったキャッシュ残高は数十年で最も高い水準にあります(図5)。通常、このようなシナリオの場合、投資家は取引に出遅れがちになります。FRBが利下げに踏み切り、現金が様子見姿勢から解き放たれると、市場全体で利回りが低下する可能性が高いからです。これまでのサイクルで見てきたように、少し早い方が遅いよりも良い選択となるでしょう。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年8月号」
本稿では、米国・欧州・英国の債券市場が追加利上げを過度に織り込んでいる可能性に注目しています。米国では、インフレの鈍化や成長モメンタムの緩やかな減速を背景に、FRBは追加利上げではなく政策金利の据え置きを継続するとの見方を示しています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年7月号」
本稿では、6月に開催されたIFIグローバル・インベスターズ・サミットでの議論を踏まえ、世界のマクロ経済およびクレジット市場に関する見通しを整理しています。米国については、AIによる生産性向上が中長期的な成長の押し上げ要因になるとの見方を示す一方、その効果の発現時期や規模には依然として不確実性が大きいとみています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年6月号」
本稿では、AI関連投資の急拡大が米国経済の成長ドライバーとして存在感を高めている点に注目しつつも、その恩恵が経済全体に広く波及しているわけではないという構図を示しています。テクノロジー分野を中心とした設備投資は引き続き力強い一方で、個人消費や住宅市場の弱さが重しとなり、米国経済の成長率は潜在成長率に近い2〜2.5%程度にとどまるとみています。また、AI投資は「スーパーサイクル」と位置付けており、今後数年にわたり継続的な需要拡大が見込まれると考えています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年5月号」
本稿では、イラン紛争を巡る停戦を受けたマクロ環境の変化と、それに伴うエネルギー価格の動向が、グローバル債券市場に与える影響について整理しています。エネルギー価格の上昇により短期的にはインフレ率の上振れが見込まれる一方、米国経済は構造的なバッファーに支えられ、成長率は潜在成長率付近を維持するとの見方を示しています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年3月号」
本稿では、エマージング市場を中心としたグローバル債券環境の最新動向を整理しています。米ドル安またはドルの安定が想定されるなか、エマージング市場ではマクロ・ファンダメンタルズの改善が進み、現地通貨建て債券を中心に有望な投資機会が広がっています。多くの国でインフレの沈静化や外部収支の改善が進んでおり、高い実質利回りと政策柔軟性が中期見通しを支えています。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年2月号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2026年1月号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年11月・12月合併号」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年10月」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
【グローバル債券投資戦略】「グローバル・フィックスト・インカム・ストラテジー 2025年9月」
インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)がマクロ経済動向、米国および主要国の金利・為替見通し、債券市場における主要な投資テーマなどについての見方をご提供いたします。
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