世カエルのポイント
[レポートのポイント]
1. 世カエルは年初来軟調に推移。しかし中長期的なブロックチェーン関連企業の高い成長が期待される
2. 活用が広がるブロックチェーン技術:暗号資産、NFT、メタバース
3. 短期的な相場動向に一喜一憂しない、積立投資で長期の資産形成
世カエルは年初来軟調に推移。しかし中長期的なブロックチェーン関連企業の高い成長が期待される
世界ブロックチェーン株式ファンドの設定来のパフォーマンスは、コロナ禍でのデジタル化の加速などを受け、日本の公募投資信託4,700本超の中で5位※1という良好な運用実績となりました。一方、足元では、①米国のインフレと景気減速が同時に起こることへの懸念、②中国のロックダウンが世界景気に及ぼす影響、③長期化しているウクライナ情勢、などから投資家がリスク回避の姿勢を強めており、株式市場全体が下落基調となっています。ただし、革新的なテクノロジーが次々と生まれる潮流が変わることは考えづらく、その根幹を支える技術を持つブロックチェーン関連企業の高い成長が期待されます。
2022年の株式市場は、年初からインフレや金融引き締めに対する懸念に加え、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受けてリスク回避的な動きが強まり世界的に株式市場は軟調に推移していましたが、株価水準(バリュエーション)の調整が進んだことや停戦交渉に対する期待が高まるにつれ3月末にかけては戻り基調となりました。
4月に入ってからは、主要ハイテク企業から予想を下回る決算や控えめな収益見通しなどが相次いで発表されたこと、米金利のさらなる上昇を受けて株式市場では成長株が売られやすい地合いとなり、再びリスク回避的な流れを強めながら年初からの安値を更新しています。
足元では株式や債券、安全資産の金のほか、暗号資産も下落しており、世カエルの保有銘柄では暗号資産取引所などのブロックチェーン金融サービス企業や、マイニング・オペレーション企業などの暗号資産価格との連動性の高い企業の株価が大きく下落しました。
世カエルの運用開始以来、ブロックチェーン技術はさまざまな分野での活用が拡大しており、新しいサービスや産業を生み出しています。短期的には大きな値動きとなる可能性があるものの、純粋な新規参入企業だけでなく、既存企業による関連分野への新規投資も拡大しており、ブロックチェーン技術は今後も魅力的な投資機会を提供していくと考えられます。
また、ブロックチェーン関連株式は世界株式や米国株式と比較すると、バリュエーションが割安となっている一方で利益成長が相対的に高い水準にあります。そのため、相場の反転時には相対的に堅調推移することが予想されます。
活用が広がるブロックチェーン技術:暗号資産、NFT、メタバース
世カエルの良好なパフォーマンスは、ブロックチェーン技術がさまざまな分野で活用され、新しいサービス・産業を生み出していることが背景にあります。特に最近では、ブロックチェーン技術を活用した新しい産業・ビジネスである、暗号資産、NFT、メタバースなどへの注目度が大きく高まっています。
ビットコインをはじめとする暗号資産は、新しいアセットクラスと考える機関投資家や企業が保有するなど、参加者の多様化が進んでいます。時価総額は5年前の約125倍に拡大しています。
デジタル・アートやゲームのアイテムの所有権や真贋(しんがん)を証明できる、NFT(ノンファンジブル・トークン)に注目が集まっています。取引額は1年で約250倍に増加し、今までにない権利証明の仕組みを活用する取り組みが、かつてない勢いで進んでいます。
社会活動のデジタル移行が進む現在、メタバース(仮想空間)の活用に注目が集まっています。その市場規模は2020年対比で約17倍の95兆円に拡大すると予測されており、その将来性に期待する大手IT企業各社が事業展開を始めています。
短期的な相場動向に一喜一憂しない、積立投資で長期の資産形成
ブロックチェーン関連株式は高い成長が期待される一方、短期的には値動きの変動幅が大きい傾向にあります。成長する株式に投資したいものの、相場動向に一喜一憂せずに運用したい方にとっては、長期的な視点で「時間分散」を味方につける積立投資も選択肢の一つであると考えられます。
世カエルの設定来の期間におけるインデックスを使用したシミュレーションを見てみると、ブロックチェーン関連株式に投資した場合、投資元本を大きく上回る結果となりました。
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