ブロックチェーン
四半期レポート:世カエルのポートフォリオについて
- 世カエルが連動する投資成果を目指す「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス*」は四半期毎(1月末、4月末、7月末、10月末)に銘柄の見直し・入替(リバランス)を行います。
- 今回2025年10月末に実施されたインデックスのリバランス後の世カエルのポートフォリオの状況、投資銘柄例、主な新規組入銘柄などについてお伝えします。
- 詳しくは、PDFのレポートをご覧下さい。
①インデックスのリバランスによる世カエルのポートフォリオの状況
「マイニング・オペレーション」の銘柄に着目
- 前四半期(2025年8月~10月)の世カエルの基準価額の上昇の大部分は、暗号資産のマイニング事業などを行う「マイニング・オペレーション」の銘柄が牽引しました。事業モデルの進化(AIやHPC(高性能コンピューティング) 市場への参入)による収益源の多様化によって、①ビットコイン価格への依存度が低下したこと、②長期的な成長ストーリーが強化されたこと、などがポジティブに評価されました。引き続きこの分野の銘柄である、サイファー・マイニング(米国)やアイレン(米国)などに着目しています。
「トークン・インベストメント」の銘柄には慎重姿勢
- 前四半期は、ビットコイン価格が高値圏で推移したものの、「トークン・インベストメント」に分類されるデジタルアセット・トレジャリー企業(ビットコインなどの暗号資産を自社の資産として保有し、運用する企業)の規制強化、資金調達リスクにより、成長期待が剥落し投資家センチメントが悪化しました。そのため、メタプラネット(日本)やストラテジー(米国)などの「トークン・インベストメント」の銘柄に対しては、引き続き慎重な見方をしています。
日本企業の状況について
- 日本初の円建てステーブルコインが発行されるなど、日本におけるブロックチェーンビジネスの進展は加速していると考えています。こうした状況を踏まえて、銘柄選択をより重視する姿勢を強めました。暗号資産分野でいくつかの取り組みは見られているものの、収益への寄与の点で、より魅力的な投資機会を提供する銘柄に資金配分を行うためです。その中で、SBIホールディングスは高位のウェイトを維持しています。
コインシェアーズ社*1による8つの産業分類の構成比率の比較
- コインシェアーズ社は、ブロックチェーン・ビジネスを独自の8つの産業に分類して、成長性を調査しています。
- 前回と比較すると、暗号資産関連の割合に大きな変化はありませんが、上記のような着目点からポートフォリオが変化しています。
② 投資銘柄例
再生可能エネルギーを活用したビットコイン・マイニング企業
サイファー・マイニング
産業分類:マイニング・オペレーション
- 米国でビットコインのマイニング施設とAI、HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)向けデータセンターを運営。
- 2025年に入り AIインフラ・HPCホスティング事業への戦略的なシフトが進行中。
- 将来的にはHPC事業での大型契約による安定収益を見込んでおり、マイニング事業に加えて分散された収益源により成長が期待されるとして着目。
ブロックチェーンとの関連性
最新鋭のデータセンターを開発し、膨大な計算処理が必要なビットコインのマイニングを行っている。
ラテンアメリカ最大級のデジタル金融サービス企業
ヌー・ホールディングス
産業分類:ブロックチェーン金融サービス
- ブラジル、メキシコ、コロンビアで事業を展開。ビットコイン、イーサリアム、USDCなど約20種類の暗号資産が取引可能なプラットフォームを提供するヌー・バンクを傘下に持つ。
- 同社は新規ユーザーの獲得に向け、米ドル建てステーブルコインの「USDC」を戦略的に活用しており、ブロックチェーンを活用した金融サービスの効率化を目指している。
ブロックチェーンとの関連性
暗号資産取引サービス、ステーブルコインでの決済対応など、デジタル資産と従来型銀行サービスの統合をめざす。
③主な新規組入銘柄
イートロ・グループ
イスラエル 産業分類:ブロックチェーン金融サービス
企業概要
- 欧州を地盤に75か国で事業を展開するモバイル金融取引プラットフォーマー。
- 376万の口座数と預かり資産205億米ドルの顧客基盤を有する、欧州の暗号資産取引の主要プラットフォームの一つ(2025年10月末現在)。
着目ポイント
- 欧州の暗号資産取引市場で強固なポジションを持ち、非米国市場での成長機会が大きいと判断し、新規に組み入れ。
- 2025年5月の上場直後の過度な期待からの調整や、ビットコイン価格の下落を受けて、株価は軟調に推移しており、競合他社と比較して割安な水準で取引されています。
- 2025年第3四半期に堅調な決算を発表したほか、口座数が増加傾向にあること、地盤とする欧州市場でのシェア拡大、新規サービスの導入、米国市場への進出など複数の成長ドライバーを有しており、株価上昇余地があると見込むことや、ポートフォリオにおける地域分散の観点も考慮。