ブロックチェーン
ブロックチェーン新時代 ~“世界を変える”技術が動き出す~

なぜ今、「ブロックチェーン」に注目すべきなのか①
金融インフラの地殻変動を起こすブロックチェーン技術
- 世界の金融システムは今、ブロックチェーンによる大転換期にあると見られています。米国や欧州では、大企業や国家がブロックチェーン技術を活用した金融インフラを積極的に推進しています。
- ブロックチェーンが持つ技術により「利便性」「信頼性」「拡張性」が飛躍的に向上し、決済・送金・取引を即時かつ低コストで自動化できるようになります。従来の金融インフラの時代を終え、情報や価値の移動と複雑な契約処理が高速・安全に進む社会の入口に今私たちは立っています。

金融インフラの「中間コスト」を大きく下げる、ブロックチェーンの可能性
- 私たちが日常的に利用しているクレジットカード決済。一見スムーズに見えるこの取引も、実際には複数の仲介者を経由し、そのたびに数%単位の手数料が発生し、加盟店が負担しています。
- ブロックチェーン金融はこれらの仲介を省略し、ブロックチェーン上で即時・低コストの決済が可能です。数秒以内に決済が完了し、手数料はほぼゼロとなるため、事業者コストを削減し消費者にも還元できます。ブロックチェーン上による金融インフラの地殻変動が進行中です。


なぜ今、「ブロックチェーン」に注目すべきなのか②
米国はブロックチェーン金融を国家戦略に
- 米国のバイデン前政権は、ブロックチェーンや暗号資産に消極的な姿勢をとり、従来の金融法制度のもとでこれらを捉えてきました。その結果、米国はこの分野で他地域に遅れを取り、米ドル覇権の弱体化やこの分野でのイノベーションの停滞が懸念されていました。
- こうした状況を受け、トランプ現政権は規制の明確化と新技術・エコシステムに対応した法整備を進め、国家戦略としてブロックチェーンを推進する方針を打ち出しています。

米国で推進されている4つの個別政策


コラム:米国の国家戦略として拡大が期待されるステーブルコイン
ブロックチェーン金融の要「ステーブルコイン」
- ブロックチェーン金融システムの要の1つとなるのがブロックチェーン上で決済・送金・取引されるお金である「ステーブルコイン」です。米ドルや日本円などの法定通貨やその他の特定資産などの価格と連動するように設計された暗号資産の一種です。
- 普及が進むと考えられている理由は以下となります。


- 近年、ステーブルコインの時価総額は大きく増加してきました。今後も、送金・決済手段や、暗号資産取引における資金の待避先としての利用拡大が見込まれています。昨今では、米国の大手銀行、大手小売業なども発行を計画しています。
- 今が普及の初期段階と考えると、ステーブルコインによって、決済・送金インフラが大きく変革すると期待されています。
主なステーブルコインの時価総額

- 2025年7月にステーブルコインの規制の枠組みを整理した新法「GENIUS(ジーニアス)法」が米国で制定されました。
- その中で発行体は、ステーブルコインの全発行額に対し、米国国債など流動性の高い資産での裏付け保有が義務付けられました。これは、米国国債などへの需要増加をもたらす構造を示唆しており、さらに利便性の高いステーブルコインが米ドルの競争力強化に資すると期待されています。これらがまさに米国政府がステーブルコインを推進する理由の一つと考えられています。
- 米ドルステーブルコインとブロックチェーン金融のイノベーションは、米国主導の官民一体型国家戦略となりつつあり、ホワイトハウスが2025年夏にデジタル資産市場に関する大統領作業部会の報告書*を公表し、米国のブロックチェーン金融革命が本格始動したと見られます。
