グローバル・ビュー

1月FOMC:想定通り利下げを休止

Invesco Global View
要旨
ややタカ派的だが、記者会見では利下げの可能性にも言及

1月27~28日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)会合では、市場予想通り、政策金利であるFF金利の誘導目標が3.50~3.75%で据え置かれました。今回、私は、①米国景気についての見方が上方修正されたことと、②パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が年内の利下げの可能性を示唆したこと、に注目しました。

パウエル議長が5月以降も理事として留任する可能性

仮にパウエル氏が議長退任後も理事職にとどまる場合、5月に新議長が就任した後もFOMC会合でのパワーバランスが大きく変化しないとみられます。しかし、FRB議長は重要スタッフの任命や組織変更について、理事会の合意や承認の下で実施することが可能であることから、私は、実際の金融政策運営はややハト派的になると考えています。こうした見方の下で、新FRB議長就任後、年内に2回の利下げが実施されるとの見方を維持したいと思います。

 

ややタカ派的だが、記者会見では利下げの可能性にも言及

 1月27~28日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)会合では、市場予想通り、政策金利であるFF金利の誘導目標が3.50~3.75%で据え置かれました。これにより、FRB(米連邦準備理事会)は、2025年末まで3会合連続で実施された利下げを休止することになりました。FOMC会合の投票では、ウォーラー理事とマイラン理事が25bp(ベーシスポイント、=0.25%)の利下げを主張して反対票を投じましたが、これは金融市場で想定されていた通りでした。

 今回のFOMCの声明文やパウエルFRB議長による記者会見を受けて私がまず注目したのは、米国景気についての見方が上方修正されたことです。声明文では米国の経済活動についての表現が、従来の「ゆるやかに拡大している」から、「堅調に拡大している」へと変更されるとともに、米国経済が「下振れリスクに直面している」という、前回会合での声明文の表現が削除されました。パウエル氏は記者会見において、米国景気は見通しが前回FOMC会合の時と比べて明確に改善したと言明しました。金融市場では、2026年の米国経済についての見方が上方修正される動きが目立っていますが、FOMCでもそうした見方を追認したと言えます。パウエル氏は、記者会見において、雇用が減速するリスクがなくなったわけではないものの、少し低下したと述べました。以上の点は、今回のFOMC会合がややタカ派的であったことを示していると言えます。

 私が注目したもう一つの点は、パウエル議長が、記者会見において、トランプ政権の関税政策によるインフレへの影響が年内には低下してくる見通しであることと述べたうえで、「インフレ率が実際に低下する場合には、金融政策を緩和することが可能になるかもしれない」と表明したことです。私は、この発言が年内の利下げの可能性を示唆する重要な発言であると思います

 一方、今回のFOMC会合が金融市場に及ぼしたインパクトは非常に限定的であったと考えられます。金利先物市場に織り込まれる年内の想定利下げ回数は、1.88回で変化しませんでした(1回の利下げを0.25%幅と想定)。1月28日の金融市場では、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して比較的大幅に上昇するとともに、米10年国債金利がやや低下しましたが、これらは、FOMC会合というよりは、ベッセント米財務長官が、CNBCとのインタビューについて為替介入は「絶対にしていない」と述べたことによる面が大きいと考えられます。

パウエル議長が5月以降も理事として留任する可能性

 今回のFOMC会合で多くの投資家が注目していたのが、パウエルFRB議長が、自らが調査対象となっている刑事事件の件や司法省から告訴されているクック理事の審理に自身が出席した件について何らかの発言をするかどうかという点でした。これらについて、パウエル氏は「何も話すことはない」とするとともに、自らがFRB議長を退任した後にFRB理事としてとどまるかどうかについても言及しませんでした。これらは事前の予想通りと言えますが、金融市場では、自身が刑事事件の調査対象になっていることについてパウエル氏が「利下げに向けての政治的圧力」として反発していることで、パウエル氏がFRB議長としての任期終了後もFRB理事としてとどまる可能性が高まったとの見方が強まっています。

 一部報道では、トランプ大統領が来週中にも新議長を指名する見通しであることを伝えていますが、仮にパウエル氏が議長退任後も理事職にとどまり、かつ、クック理事が理事職を維持する場合には、新議長候補が現在のマイラン理事の後任としてFRBの理事会に入り、5月にパウエル氏と議長職を交代することになりそうです。この場合には、6月以降もFOMC会合でのパワーバランスが大きく変化することはないとみられます。しかし、FRB議長は重要スタッフの任命や組織変更について、理事会の合意や承認の下で実施することが可能であることから、私は、実際の金融政策運営はややハト派的になると考えています。こうした見方の下で、新FRB議長就任後、年内に2回の利下げが実施されるとの見方を維持したいと思います

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