週刊東洋経済2023年7月22日号に記事広告として掲載
制作・東洋経済企画広告制作チーム
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いま「不動産投資」に
機関投資家が着目する理由
米国の金融引き締めが長期化し、景気後退リスクが指摘されている。
そうした中、「機関投資家から不動産投資の相談が増えている」と語るのがインベスコ・アセット・マネジメントの担当者だ。なぜいま不動産なのか、その理由を探った。
景気後退期を起点に過去の投資リターンは良好
「資本市場にストレスがかかっていることは否めません」。そう話すのはインベスコ・アセット・マネジメントの加藤秀康氏だ。
「米国・欧州でのインフレは強く、2022年6月に開始したFRBの政策金利引き上げも続いています(※)。長期金利も同様に上昇し、資産に対するリスクプレミアムも含めた割引率が拡大しています」(加藤氏)
この状況は、不動産エクイティ投資に影響を及ぼしているという。
米国ならびに欧州で昨年後半に変化として表れ始めたのが、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて算出する不動産鑑定価格だ。
長期金利が上昇して割引率が拡大すれば、鑑定価格は必然的に押し下げられてしまう。実際、米国不動産コア投資のベンチマークとして広く利用されているNFI-ODCE指数の推移を見ると、22年10〜12月期に価格低下が始まっている。
実は、こうした局面は、過去にも何回かあったと加藤氏は話す。
「1995年以降、不動産価格が低下した局面は3回ありました。ITバブルが崩壊した2001年、世界金融危機後の09年、そしてコロナ禍の20年です」
注目したいのは、この3回の局面における不動産投資のトータルリターンの数値だ[図1]。ITバブル崩壊では4.8%下落したのち、43.4%上昇。世界金融危機では32.9%も下落したが、コロナ禍前まで60.8%も上昇している。コロナ禍では2.9%下落したのち、20.1%上昇した。
「米国や欧州のデータ傾向から、不動産投資においては、景気後退期のように資本市場にストレスがかかっている時期に投資を開始すると、他の投資期間よりも、良好なリターンが得られる傾向があります」
5年間のトータルリターンという観点で見ると[図2]、米国不動産投資では、01年と02年、ならびに09年と10年を起点とする5年間のリターンが、他の年を起点とする期間と比較して最も大きかったことがわかる。01年は年率15.8%、09年は14.1%だ。
「逆に、06年に投資を開始した場合は報われていません。06年は景気拡大が続いていた年ですが、その後、世界金融危機が発生しました。他方でリーマンショックの翌年となる09年を起点とする5年間のリターンは、他の年を起点とするより大きくなっています。欧州でも同様の傾向が見られます。ギリシャの財政問題に端を発した欧州債務危機が顕在化した10年代前半と、EUからの離脱を決議する国民投票が英国で可決された16年を起点とした投資リターンが良好です」(加藤氏)
賃貸需要は世界的に堅調
ただし米国オフィスに注意
「22年は資本市場を混乱させる事象が多発しました。ロシアによるウクライナ侵攻が起こり、米国は政策金利の引き上げを経て株式市場が下落。さらに、金利上昇に伴い債券価格も下落しました。その翌年となる23年が、投資を開始するタイミングとしては良好な起点となる可能性があるのです」と加藤氏。
「実際、不動産市場の底入れに備えて機関投資家から不動産投資の相談が増えています」と明かすのがインベスコ・アセット・マネジメントの関塚健太郎氏だ。
「日本の機関投資家において、不動産を含む低流動性資産への関心が高まってきていることを感じます。分散投資という観点からも、長期運用を視野に入れたポートフォリオの見直しが進んでいます」(関塚氏)
この背景に、不動産のファンダメンタルズが比較的堅調に推移していることがある。「米国、欧州、アジアとも全般的に稼働率は安定しており、賃料は横ばいないしは長期的な上昇が見込まれます」(加藤氏)。
ただし、と加藤氏は続ける。
「どの物件タイプに投資するかは注意深く検討する必要があります。コロナ禍を経て人々の働き方が変化し、在宅勤務の進展が進んだ結果、オフィスの需要に対しては逆風が吹いています。とりわけ、米国・欧州・アジアの3地域の中では、とくに米国のオフィスの稼働率低下が目立ちます。米国の不動産ファンダメンタルズは、全体としては改善傾向が進む一方で、オフィスについてはテナント需要が弱い状況が続くとみています。欧州やアジアと比較すると、米国企業における在宅勤務普及率が高止まりしていることが背景です」
米国地銀の連続破綻が不動産投資に及ぼす影響
では、23年に入り、米国・欧州金融機関の破綻が発生したことで、不動産投資環境への影響はどうか。
「金融機関の破綻は、運用会社が提供する不動産投資手法にとってはプラスの側面もある」と加藤氏はいう。加藤氏は、直近のトレンドとして「オルタナティブ・レンダー」の存在感が増していることを挙げる。
「オルタナティブ・レンダーは、直訳すると『代替的な貸し手』です。伝統的に不動産融資のメイン・プレーヤーとして存在感が大きかった金融機関(銀行/保険会社)ならびにCMBS(商業不動産担保証券)に加えて、最近は、運用会社が運用する不動産デットファンドが不動産担保融資を行うことが増えてきたのです」
加藤氏は、この傾向は今後加速すると予見する。
「23年に入って米国・欧州で複数の金融機関が破綻しました。それぞれの銀行によって事情は異なりますが、米国・欧州の金融機関の不動産融資の基準は厳しくなるでしょう。同じクオリティの物件を担保にしても、担保価値に対する貸付可能金額が下がるということです。借り手である投資家が同額の貸付金を必要としている場合、不動産デットファンドが従来より高い金利水準で融資することで、不動産デットファンドのインカム水準が高まる可能性があります」
海外機関投資家が好機でも動けない理由
不動産に対するエクイティ投資・デット投資の投資機会が顕在化しつつある中、不動産物件の価値を正しく見極められるかどうかが従来以上に厳しく問われる。担保となる物件のテナント獲得競争力の有無、各主要都市の雇用の伸びといった将来性、前述の米国オフィスのような物件タイプ別のトレンドを把握しているかどうかといったことだ。
その点、インベスコ・グループの不動産運用部門は1983年に不動産投資をスタートし、40年の実績を持つ。北米、欧州、アジアの16カ国21拠点に586名の不動産専門の運用プロフェッショナルを配置し、運用資産額は9140億ドル(12.1兆円*)にも上る(不動産専門スタッフ数と運用資産額は22年12月末現在)。
「不動産への投資機会があるとしても、欧米の機関投資家は身動きが取りにくい状況にあります。日本の機関投資家と比較すると、欧米の機関投資家のポートフォリオでの不動産への組み入れは先行しています。その中で、伝統的資産である株式と債券は、不動産以上に評価が下落しました。その結果、多くの欧米の機関投資家において、ポートフォリオにおける不動産の組み入れ比率が許容レンジの上限に達したため、不動産への投資比率を減らす必要性が高まっています。不動産の投資魅力度とは関係なく、投資比率を減らす動きをデノミネーター・エフェクト(分母効果)といいます」(関塚氏)
他方で日本は、近年、エクイティ投資を中心に不動産投資に力を入れる機関投資家が徐々に増加してはいるものの、アセットミックスにおける比率は海外と比べ少ないという。
「合同運用ファンドを通じた投資が一般化しているほか、エクイティやデットといった資本構成の異なる選択肢もあります。このような時だからこそ、現在はポートフォリオにおけるグローバル不動産投資を検討するよいタイミングといえるのではないでしょうか」(加藤氏)
先行き不透明な状況が続くいま、ポートフォリオの見直しをするならば、不動産投資も選択肢に入れたい。
機関投資家営業本部とリアル・アセット部のメンバー。変化する市場環境の中で、顧客ニーズを満たす商品の提案に努めている
◉この取材は23年5月中旬に実施
* 為替レートは131.945円/米ドルで換算、WMロイターの22年12月末レートに基づく
商号等:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第306号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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