米国バンクローン市場、月次アップデート 2025年12月
11月のバンクロ-ン市場は、低格付の軟調さが続く一方、高格付は底堅く推移
11月のバンクローン市場動向
当月のバンクローン市場は月間で+0.21%、年初来で5.22%のリターンとなりました1。また、月間の価格リターンは▲0.38%、金利リターンは+0.59%となりました1。
当月はセンチメントの悪化等からローン価格の下落が続きました。化学、住宅などの信用力が低く、循環的なセクターで軟調さが目立ちました。こうした環境下、新規発行ペースは減少し、いくつかの案件ではローンチ自体の取り下げ、または貸し手に有利な条件への修正が行われました2。しかし、不安定な市場心理にもかかわらず、額面がパー(100)を上回るローンの割合は月末には49%となり、前月末の42%から上昇しました1。
当月のバンクローンのリターンは、ハイ・イールド社債(+0.58%)、投資適格社債(+0.65%)を下回りました3。格付別のリターンは、BB格(+0.48%)、B格(+0.20%)、CCC格(▲1.84%)となりました1。ローン市場の平均価格は、月末時点で95.86となり、前月末(96.13)から僅かに低下しました1。現在の平均価格を踏まえると、ローンはフォワードカーブを含めて7.87%のイールドとなります1。
ファンダメンタルズ
- 労働市場の減速が続くなか、市場参加者は引き続き、米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の追加利下げを予想しています。
- 12ヵ月累計の額面デフォルト率は、前月の1.46%から1.25%へ低下しました4。80ドル未満で取引されるローンの割合は、前月の3.39%から上昇して4.06%となりました4。法廷外での債務再編や債務不履行を含めると、デフォルト率(発行体ベース)は前月の4.17%から低下して3.68%となりました4。
市場の需給環境
- 11月の需給環境は強弱まちまちとなりました。主要投資家層であるCLOの組成は鈍化し、個人投資家の資金流入も限定的であったため、新発発行も減少しました。
- 11月のCLOの発行総額は、88案件で403億ドル(うち、リファイアンス案件とリセット案件が200億ドル)となり、10月の120案件で559億ドルと比べて28%減少しました2 。
- 個人投資家向けローン・ミューチュアル・ファンドとETFは、総額1億ドル(うち、前者から5億ドルの資金流出、後者から4億ドルの資金流入)の資金流出となりました2。
- 当月のローンの発行総額は493億ドルとなり、前月の619億ドルから20%減少しました。これは2010年以降の11月の平均発行額(455億ドル)と比較して若干高い水準となりました2。
新規発行の内訳としては、リプライシング案件(200億ドル)、リファイナンス案件(170億ドル)、買収案件(92億ドル)が中心となり、配当リキャップ案件(24億ドル)、一般目的案件(8億ドル)が続きました2。
投資機会
FRBは12月または来年1月に再びフェデラルファンド金利を25ベーシスポイント引き下げ、2026年にかけて段階的な利下げを継続すると予想されますが、図1に示す通り、米国ローン収益は依然として魅力的な水準を維持すると見込まれます。
市場予想では、金利は2022年以前の水準を大幅に上回る高水準が長期化する見通しです。バンクローンは景気後退期や金利低下期を含む様々な市場サイクルを通じ、一貫した安定した収益源であることを実証されています。ここ2か月ほど市場センチメントは悪化しましたが、ローン価格自体は底堅さが維持されてます。
G2025-11-011
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