米国バンクローン市場、月次アップデート 2026年1月
12月のバンクロ-ン市場は、前月の軟調さから一転し、回復が目立った
12月のバンクローン市場動向
当月のバンクローン市場は月間で+0.68%、年初来で5.94%のリターンとなりました1。また、月間の価格リターンは▲0.01%、金利リターンは+0.69%となりました1。
当月はセカンダリー市場でもトーンが回復し、良好な形で年末を迎えました。活発なプライマリー市場や米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な姿勢、そして、堅調さを維持する米国経済を背景にバンクローン市場は5か月ぶりの大幅な上昇を記録し、前月11月の下落の一部を取り戻しました。2
こうしたセンチメントの改善を受け、額面以上で価格設定されたローンの割合は、前月の49%から58%へと上昇しました1 。
当月のバンクローンのリターンは、ハイ・イールド社債(+0.57%)、投資適格社債(▲0.20%)を上回りました3。格付別のリターンは、BB格(+0.73%)、B格(+0.61%)、CCC格(+1.63%)となりました1。ローン市場の平均価格は、月末時点で95.92となり、前月末(95.86)から僅かに上昇しました1。現在の平均価格を踏まえると、ローンはフォワードカーブを含めて7.86%のイールドとなります1。
ファンダメンタルズ
- 労働市場に対する懸念が継続しており、FRBは2026年に追加利下げを実施すると予想されます。
- 12ヵ月累計の額面デフォルト率は、前月の1.25%から1.23%へわずかに低下しました4。80ドル未満で取引されるローンの割合は、前月の4.06%から上昇して4.34%となりました4。法廷外での債務再編や債務不履行を含めると、デフォルト率(発行体ベース)は前月の3.68%から低下して3.35%となりました4。
市場の需給環境
- 当月の需給環境は前月から改善しました。CLOの新規発行は前月比で減少したものの、依然としてローンの純発行を上回っており、タイトな需給環境が維持されています。
- 当月のCLO発行は、65案件で総額307億ドル(うち、リファイアンス案件とリセット案件が164億ドル)となり、10月の88案件で403億ドルと比べて24%減少しましたが、2012年以降の平均値である120億ドルを大幅に上回る水準を維持しました2 。
- 個人投資家向けローン・ミューチュアル・ファンドとETFは、総額18億ドル(うち、前者から11億ドルの資金流出、後者から7.6億ドルの資金流入)の資金流出となりました2。
- 当月のローンの発行総額は601億ドルとなり、前月の493億ドルから22%増加しました。これは2010年以降の12月の平均発行額(445億ドル)を大きく上回っています2。新規発行の内訳としては、リプライシング案件(309億ドル)、リファイナンス案件(171億ドル)、買収案件(68億ドル)が中心で、配当リキャップ案件(37億ドル)、一般目的案件(16億ドル)が続きました2 。
投資機会
FRBは9月と10月にそれぞれ25ベーシスポイントの利下げを実施した後、12月の追加利下げについては見解が分かれましたが、最終的には25ベーシスポイントの利下げが実施されました。現在、市場では2026年にさらに2回の利下げが見込まれており、最初の利下げは少なくとも4月以降と予想されています。このため、年間2回の利下げが実施される蓋然性は高いとみられています。
こうした利下げ局面にもかかわらず、図1が示すとおり、米国ローンの利回りは依然として魅力的な水準に維持される見通しです。過去を振り返っても、景気後退期や金利低下期を含むさまざまな市場サイクルを通じて、ローン資産は一貫して安定した収益源であったことが確認されています。現在の市場では、金利が2022年以前の水準を大きく上回る高い水準で、より長期間維持されるとの見方が広がっています。
G2026-01-002
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