Global markets in focus

【採録レポート掲載】2020 インベスコ アジア・パシフィック・インスティテューショナル・カンファレンス

Does decoupling dampen or boost tech investment opportunity? Well it depends...

11月11日、12日に、『“Redefining global opportunities”(グローバルな投資機会を再定義する)』 と題して、2020 インベスコ アジア・パシフィック・インスティテューショナル・カンファレンスを、オンライン形式で実施致しました。当レポートは、そのセミナーにおける重要なポイントをまとめたものになります。

2021年の見通しについて:先進国と新興国のどちらの金融市場のパフォーマンスが高くなるでしょうか?どの国に投資家の注目が集まると考えられますか?

当社の投資スペシャリストは、来年の新興国における投資パフォーマンスは先進国よりも優れたものになることに同意しています。ただし、すべての新興国が同様にはならないという点も指摘されました。

・アジア各国は、新型コロナウイルス後の経済の回復とその運営の点において、新興国の中で傑出した成功をおさめていると言えます。
・中国はウイルス感染をうまくコントロールできる良き事例となっており、その先行指標は経済の回復を示しています。
・中国へ大きな配分を振り向けるポートフォリオについての議論がされました。中国の長期的な成長ストーリーにもかかわらず、世界の投資家は依然として中国をアンダーウェイトしています。
・中国は、世界の他の地域とは異なり、独自の国家運営を行う国です。中国投資に向けて資産運用会社を選択する際には、現地の専門知識を持っているかどうかが鍵になるでしょう。

 

オルタナティブ資産への投資について:複数のシナリオが考えられる現在の環境下において、投資家はどのようなポートフォリオを保有するべきでしょうか?伝統的資産に代わる投資対象には何が考えられますか?

バイデン政権とワクチンの登場により、市場のボラティリティや地政学リスクは低下すると予想されるものの、投資家は楽観的になることが難しい状況です。

・リスクや市場価格下落の可能性は投資の常です。歴史的な伝統的資産との低相関を考慮すれば、実物資産をポートフォリオに加えていくことが重要と考えられます。
・不動産などの実物資産への投資には、投資リターンと分散化の両面でのプラスの恩恵が考えられます。
・アジア不動産への分散投資は、新型コロナウイルスに上手く対処してきた地域への投資として、理にかなったものと考えられます。
・売られ過ぎ、かつ客足が戻りつつあるアジアの小売不動産セクターへの投資は注目できるでしょう。一部の米国のアパートやオフィスなどの不動産も売られ過ぎと考えられます。

 

ESG:投資家は、ESGの視点を自らの投資にどのように取り込んでいくことができますか?

ESG(環境、社会、ガバナンス)は、世界中の投資家にとって関心が高まっている分野です。規制の進展や人々の意識の高まりにより、スチュワードシップ、持続可能性、気候変動などのグローバルな取り組みが、投資家の優先事項になりつつあります。

・ESG投資には、資産クラスや投資商品の選定、もしくは投資の制限など多面的なプロセスが含まれており、結果としてカスタマイズされた提案の必要性が高まっています。
・企業のファンダメンタルズを分析することは重要です。ただし、投資リターンと持続可能性の両方を追い求めるには、さまざまな投資環境やシナリオ下でポートフォリオ全体を考察するカスタマイズ化された提案が必要になってきます。

 

地政学:米国の選挙後、アジア地域の貿易と政策はどのように変化しますか?

バイデン政権下、米国と中国はリスクと機会を明確化し、二国間の関係を再び安定化させることを目指すでしょう。

・テクノロジーが戦略的な経済競争の中心となる可能性が高く、おそらく半導体や人工知能分野も重要となるでしょう。
・米国と中国が協力しうる機会は、気候変動、パンデミック、そしておそらくはグローバル金融システムの管理の分野に見い出されれるでしょう。
・両国の再生可能エネルギー事業は、米国と中国がそれぞれ2050年と2060年までに世界的および国内的な気候変動対策とカーボン・ニュートラルを目指すことで利益を得る可能性があるでしょう。

 

今回のコンファレンスにおける、その他の重要な議題:

・中国のハイイールド債市場では、健全なバランスシートを背景とした不動産開発債券などに投資妙味があると考えられます。
・保険会社のポートフォリオへ多様な資産クラスが追加されることは、より効率的な利回りとの投資リターンを提供をもたらすでしょう。
・ 2021年は引き続き不確実性が高いと考えられますが、長期的なポートフォリオ運営を行う投資家においては、株式、債券マルチアセット、およびオルタナティブ投資にまたがる投資機会が存在しています。
・ 2021年の投資機会については、インベスコの投資スペシャリストにおけるそれぞれの見解をご参照ください。

当資料ご利用上のご注意

当資料は情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)のグループ会社が2020年11月11日・12日に開催したセミナーの内容を基に、 、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「弊社」といいます。)が抄訳を行い、作成した資料です。本書は信頼できる情報に基づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。また過去の運用実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。本書に記載された一般的な経済、市場に関する情報およびそれらの見解や予測は、作成者の資料作成時における見解であり、いかなる金融商品への投資の助言や推奨の提供を意図するものでもなく、また将来の動向を保証あるいは示唆するものではありません。また、当資料に示す見解は、インベスコの他の運用チームの見解と異なる場合があります。本文で詳述した本書の分析は、一定の仮定に基づくものであり、その結果の確実性を表明するものではありません。分析の際の仮定は変更されることもあり、それに伴い当初の分析の結果と重要な差異が生じる可能性もあります。当資料について事前の許可なく複製、引用、転載、転送を行うことを禁じます。

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