Q:現在、多くのデータセンター開発案件はプライベート市場で資金調達されていますが、徐々にプライベートとパブリックとのパートナーシップ・モデルへと変化しつつあります。この比較的新しいモデルのメリットをどう見ていますか?
Todd : プライベート市場の柔軟性により、プライベート・レンダーが素早く資金を提供でき、差し迫ったニーズを満たすことが可能となります。景気サイクルを通じて、我々はこれらのプライベート・レンダーと緊密に連携していくことを想定しています。このような環境は、長期投資家である我々にとって魅力的な機会を提供すると考えています。最終的には施設が完成し、稼働が安定すれば証券化市場で借り換えが進み、適切な価格にリプライシングされていくと見ています。
Kevin : 世界的にAIへの投資規模が巨額なことを考慮すると、パブリックとプライベートの両方での債務発行は今後も高い水準で続くことが想定されます。開発段階のプロジェクトは何度も資金供給が必要になるため、プライベートの商業不動産ローンや特殊な証券化商品が柔軟な資金調達手段として活用されやすい状況です。一方で、安定稼働中の物件の借り手は、競争力のある利回りで多額の長期資本へアクセスできる証券化市場を引き続き好むと予想されます。
Rahim : 資金調達の自由度と証券化のスピードこそが、プライベート・ファイナンスが非常に理にかなっている二つの主な理由だと考えます。パートナーシップ型の枠組みにより、投資家は建設リスクを分散させつつ資本を供給でき、幅広い投資家基盤を築くことで、市場の流動性が向上します。
Q:データセンター開発案件を評価する際、どのような点を重視していますか?
Kevin : 一般的に、最新のインフラを備えていて、十分な電力が確保され、立地が良く、強固なスポンサーシップを持ち、良質なテナントとの長期契約がある施設を選好します。投資家はAI需要の拡大だけでなく、ハイブリッドクラウドや高密度コンピューティングの需要拡大からも利益を得られるという利点もあるためです。
Rahim : プロジェクトのメリットとリース契約を支援するスポンサーの質の両方を徹底的に理解するために、かなりの時間を費やしています。たとえ表面上は優れたスポンサー、良好な立地、万全の契約が揃っているように見えても、建設プロジェクトには必ず問題が発生します。これにはコスト超過、労働力や資材の不足、悪天候などの予期せぬ事態が含まれます。重要なのは、債権者保護条項を慎重に精査し、プロジェクトリスクの評価が許容範囲内にあることを確認するなどで債権者としての我々の利益が十分に保護されることを確実にすることです。要するに、適切な補償が得られ、プロジェクトが挫折した場合に備えて強力な契約上の保護条項が整備されていることを条件に、選択的ではありますが、我々も開発リスクを引き受けるということです。
Todd : 我々はカウンターパーティリスク、例えばリース契約の質や、それを保証する主体に注力しています。特に建設案件では、債務をカバーできる最低価値保証が設定されていることを重視します。一般的に、ドキュメントによる裏付けが十分で、取引の相手側にハイパースケーラーが存在する場合、より確信を持てます。
Q:これらへの投資機会は、既存の市場と比較して魅力的だと考えますか?
Todd : この分野の投資適格案件は非常に魅力的だと考えています。高属性のスポンサーが実質的に建設リスクとリースリスクを引き受ける場合でも、スポンサーの発行する債務よりも高い利回りを見込むことができます。
Rahim : 我々もこの分野の投資適格案件は、BB格付けのクレジットと比較しても遜色がなく、魅力的だと考えています。ハイイールド案件は、主に初回発行体であることや、しばしば複雑な建設リスクが伴うことから、大幅なディスカウントで提供されていますが、より多くのプロジェクト案件が市場に流入し、投資家の安心感が高まるにつれ、このプレミアムは縮小すると想定できます。より強力な保護策を備えた案件が最終的に優れたパフォーマンスを発揮すると考えます。結局のところ、これらの投資機会は非常に個別性が高く、私たちの強みである厳密なクレジット分析と固有リスクへの深い理解が価値を生む分野だと言えます。
Kevin : データセンター証券化商品は、AIやその他のデータ駆動型サービスに対する需要急増の恩恵を受けています。必要な引受専門知識と市場知識を備えた投資家であれば、他の証券化セクターに対する相対的価値を活用できると考えています。
Q:現在、市場の懸念点のひとつとして、インフラ構築に巨額の資本が投じられる中で、需要不足や技術の陳腐化により資本の誤配分が生じるということがありますが、これらのリスクについてどのように考えていますか?
Todd : テクノロジーの進化と衰退は常に一体で進むという点は重要です。5年後のAIサーバーの要件がどうなるかは断言できませんが、顧客のニーズに応じて構成を変更できる適応性の高い資産への投資が重要だと考えています。
Kevin : このセクターは供給増加や技術革新による混乱の影響を受けやすいため、銘柄選定と慎重なエクスポージャー制限が極めて重要です。立地条件と、テナントのニーズ変化に応じたコンピューティング能力の拡張性が、データセンターのパフォーマンスと長期的な安定性に重要な要素だと考えています。このため、大容量ファイバー網へのアクセス、手頃で信頼性の高い電力供給、主要都市圏への近接性による遅延低減、コスト効率の良い土地と労働力の確保といった条件を備えた新規建設物件への投資機会を追求します。最後に、自社開発の貸付価値比率(LTV)および貸付電力容量比率(LTK)を適用し、多様なシナリオ下における潜在的な債務不履行、損失の深刻度、満期時の資金調達可能性を予測します。
Rahim : この拡張計画の規模は、名目上の金額ベースで見れば、まさに前例のないものです。先ほどマッキンゼーの7兆ドルという見積もりを挙げましたが、これほど巨額の投資支出を伴う以上、投資収益率の実現性について疑問を抱くのは当然です。AIの収益面はまだ初期段階ではありますが、潜在的な市場機会と、それに伴う混乱は無視できません。ポートフォリオ・マネージャーとして以下の二つの点に注力します。まず、このテーマへの総エクスポージャーを継続的に監視し、リスクを適切に管理することです。次に、厳格な審査基準に基づき、立地優位性、安定的な電力供給、スポンサーにとっての戦略的重要性といった特定の基準を満たすプロジェクトのみに投資します。データセンター開発における課題が増大している現状(近隣住民の反対運動(NIMBY)、電力供給の遅延、光熱費高騰への抗議、熟練労働者不足など)を踏まえ、より高い基準を満たすプロジェクトをより魅力的と評価します。2025年はハイイールド債においてクレジット選別が重要視された年でしたが、来年はさらにその重要性が増すと見ています。