米国バンクローン市場、月次アップデート 2026年2月
1月のバンクロ-ン市場は、ソフトウェア関連中心にリスクオフの展開
1月のバンクローン市場動向
当月のバンクローン市場は月間で▲0.26%のリターンとなりました1。また、月間の価格リターンは▲0.87%、金利リターンは+0.61%となりました1。
ローン市場は、旺盛な需要とリプライシングの動きにより、幸先の良い一年のスタートを切ったと思われたものの、AIを巡る懸念から、大手ソフトウェア企業の株価が軟調となったことを受け、月末にかけてソフトウェア・セクターにおいてボラティリティが高まりました。その結果、当市場は、昨年4月の解放の日以来、初めてのマイナスリターンを記録することとなりました。セカンダリー市場の軟調さを受け、額面以上で価格設定されたローンの割合は、前月の58%から26%へと低下しました1 。
当月のバンクローンのリターンは、ハイ・イールド社債(+0.51%)、投資適格社債(+0.18%)を下回りました2。格付別のリターンは、BB格(+0.23%)、B格(▲0.27%)、CCC格(▲1.87%)となりました1。ローン市場の平均価格は、月末時点で95.23となり、前月末(95.92)から下落しました1。現在の平均価格を踏まえると、ローンはフォワードカーブを含めて8.15%のイールドとなります1。
ファンダメンタルズ
- 2025年に3回の利下げが行われた後、 FRB(米連邦準備制度理事会)は1月の会合で政策金利の据え置きを決定しました。市場では、ターミナルレートが3%台前半に達するまで、さらに0.50%の追加利下げが行われると予想しています。2026年におけるFRBの意思決定や今後の利下げペースは、インフレと雇用に関する動向に左右されることになります。
- 12ヵ月累計の額面デフォルト率は、前月の1.23%から1.29%へ上昇しました3。80ドル未満で取引されるローンの割合は、前月の4.34%から上昇して5.31%となりました3。法廷外での債務再編や債務不履行を含めると、デフォルト率(発行体ベース)は前月の3.35%から3.53%へ上昇しました3。
市場の需給環境
- ローン市場における需給の不均衡は依然として続いています。足元の動きとしては、M&A関連の負債返済の加速やハイイールド社債によるローンの借り換えなど、供給は頭打ちである一方、CLOからの需要加速もやや鈍化しています。
- 当月のCLO発行は、69案件で総額301億ドル(うち、リファイアンス案件とリセット案件が212億ドル)となり、前月の65案件で307億ドルと比べて2%減少しましたが、2012年以降の同月平均値である84億ドルを大幅に上回る水準を維持しました4 。
- 個人投資家向けローン・ミューチュアル・ファンドとETFは、総額23億ドル(うち、前者から2.7億ドルの資金流出、後者から26億ドルの資金流入)の資金流入となりました4。
- 当月のローンの発行総額は1,642億ドルとなり(前年同月は1,865億ドル)、前月の601億ドルからは173%増加しました。これは2010年以降の同月の平均発行額(626億ドル)を大きく上回っています4 。新規発行の内訳としては、リプライシング案件(1,094億ドル)、買収案件(255億ドル)、リファイナンス案件(238億ドル)、が中心で、配当リキャップ案件(29億ドル)、一般目的案件(25億ドル)が続きました4 。
投資機会
月の前半こそリプライシングが活発でしたが、後半に入ると、ローン市場のセンチメントが悪化し、セカンダリー市場でも価格が下落したため、リプライシング活動は大きく減速しました。額面以上で取引されるローンの割合は全体の26%という直近の最低水準にあることから(図1参照)、今後はリプライシングの動きは一服すると予想され、FRBによる利下げペースの鈍化が重なれば、インカム獲得の観点から投資家にとっても追い風になるとみています。
G2026-02-010
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